フィリピンは、若い人口と拡大する中間層を背景に、
日用品・コスメ市場が大きく伸びている国です。
- 紙おむつ・衛生用品・サプリメント
- 洗剤・柔軟剤・ヘアケア・オーラルケア
- スキンケア・メイクアップ・サンケア
といったカテゴリで、日本製品はすでに一定の存在感を持っています。
本記事では、
- フィリピンで日本の「日用品・コスメ」へのニーズが高い理由
- どのような商品カテゴリが相性が良いか
- 日本のメーカー・小売が取りうる進出パターン
- ありがちな失敗とローカライズのポイント
を整理しつつ、御社のような企業がフィリピン市場でチャンスを掴むためのヒントをまとめます。

Contents
フィリピンで日本の日用品・コスメが求められている理由
“調査によると、フィリピンのコスメ市場は2025〜2029年に 年平均成長率(CAGR)12.53% と、非常に高い伸びが予測されています。カテゴリ別では、スキンケアが最大のセグメントとなっており、自然由来・オーガニック成分をうたう商品へのニーズが特に強まっています。また、販売チャネルでは インターネット販売(EC)が最も成長しているチャネルとされており、オフライン店舗だけでなく、EC・SNSを組み合わせた戦略設計が重要になっています。”
◆「日本=品質・安心・安全」のイメージ
フィリピンの消費者にとって、日本は
- 品質が高い
- 安心・安全
- 長持ちする
というポジティブなイメージを持たれている国です。
すでに、
- ユニチャーム(紙おむつ・生理用品)
- 花王・ライオン(洗剤・ヘアケア・オーラルケア)
- 資生堂などのコスメブランド
といった日本メーカーの商品が広く流通しており、
**「日本ブランド=信頼できる日用品・コスメ」**という認識が一定程度浸透しています。
◆ 中間層の拡大で「ワンランク上」を求める層が増加
マニラ首都圏やセブなどの都市部では、
- BPO・IT・サービス業を中心に中間層が増加
- 生活インフラ・大型ショッピングモール・ドラッグストアが整備
- 「価格だけでなく品質やブランドも重視する」消費者層が拡大
しており、
- 肌に優しい紙おむつ・スキンケア
- 髪質に合うシャンプー・トリートメント
- 信頼できる美白・UVケア商品・サプリメント
など、「少し高くても品質の良い日用品・コスメ」にお金を払う層が増えています。
◆ SNS・日系小売店・ドラマ・アニメ・訪日旅行を通じた「日本カルチャー」の浸透
- 日系ドラッグストア・スーパー・雑貨店
- 日本食レストランや日系モールテナント
- アニメ・ドラマ・SNS経由の情報
を通じて、日本のライフスタイルや美容情報に触れる機会も増えており、
「日本人の肌・髪はきれい」「日本のスキンケア・コスメを使ってみたい」
といった潜在ニーズが高まっています。
特にフィリピンを始めとする東南アジアでは“白い肌=ステータス”となっており、中国やスペインの混血が多い国である為、広告に起用されるタレントやモデルは全て色が白く、中華系やスペインの混血のフィリピン人や白人、東アジア人が起用され、そのような肌の白さに憧れる傾向が極端に高い特徴があります。

フィリピンと相性の良い日本の日用品・コスメカテゴリ
1. 紙おむつ・生理用品・衛生用品
- 乳幼児人口が多く、紙おむつ市場は依然として拡大中
- 肌トラブルへの関心も高まり、「肌に優しい・高品質」な日本製への評価が高い
- 生理用品・おりものシート・大人用衛生用品も、都市部を中心に需要増
ポイント:
- 吸収力・肌触り・かぶれにくさ
- パッケージのわかりやすさ(サイズ・吸収量表示など)
- 大容量パックと小容量(お試し・持ち歩き用)の両立
2. 洗剤・柔軟剤・住居用クリーナー
- 洗浄力・消臭力・抗菌などの機能性ニーズが強い
- 香りへのこだわりも強く、「日本らしい爽やかな香り」が好まれる傾向
- 高温多湿の環境でのニオイ対策・カビ対策も重要なテーマ
ポイント:
- 少量でしっかり汚れが落ちる「高濃度・コンパクトタイプ」
- 部屋干し・ニオイ対策など、フィリピンの生活実態を踏まえた訴求
- ボトル・詰め替え・柔軟剤ビーズなど、フォーマットのバリエーション
3. シャンプー・コンディショナー・ヘアケア
- 強い日差し・湿度・汗による髪のダメージ・うねり・ニオイが課題
- ストレートヘア志向・サラサラ感のニーズが強い
- フケ対策・頭皮ケアへの関心も高まりつつある
ポイント:
- 「サラサラ・ストレート」「ボリュームダウン」など効果を分かりやすく訴求
- 香りの持続性(シトラス・フローラル等)
- ヘアオイル・トリートメントとのライン展開
4. スキンケア・美白・UVケア
- 日差しが強く、日焼け・シミ・そばかす対策の意識が高い
- 「美白」「トーンアップ」「毛穴ケア」などのキーワードに敏感
- ジェル・ミルク・スプレーなど、軽いテクスチャーが好まれる傾向
ポイント:
- 高SPF・PA値と、日常使いしやすい使用感の両立
- 敏感肌向け・ニキビケアなど、肌トラブル別のラインナップ
- 強い香りよりも「クリーンで軽い香り」の方が受け入れられやすい
5. メイクアップ・ポイントコスメ
- 都市部の若年層・オフィスワーカーを中心に需要が拡大
- プチプラ〜ミドルプライスの日本ブランドが人気
- 「ナチュラルメイク」「オフィス対応」「崩れにくさ」への関心が高い
ポイント:
- ベースメイク(ファンデ・BBクリーム等)は、高温多湿で崩れにくい処方が必須
- 眉・アイメイク・リップなど「ポイントコスメ」からの導入も有効
- カラー展開は、フィリピン人の肌色に合うトーンの検証が必要

フィリピンの小売チャネルと、日本ブランドの入り方
◆ モール内スーパー・ドラッグストア
フィリピンでは、大手財閥系アヤラグループやSMグループ等のモール文化が非常に発達しており、
- 大型スーパー(SM、Robinsons など)
- ドラッグストア(Watsons、Southstar Drug など)
- コンビニ(7-Eleven、MINISTOP 等)
が、日用品・コスメの主要チャネルです。
日本ブランドの入り方:
- 現地ディストリビューター経由でバイイング・棚取りを行う
- 一部カテゴリでテスト導入 → 売れ行きを見てSKU拡大
- プロモーション(試供品・店頭POP・体験イベント)とセットで展開
◆ 日系・韓国系コスメショップ・雑貨店
- 日系・韓国系のコスメ・雑貨ショップが、モール内に多数出店
- 「日本コスメ」「韓国コスメ」コーナーとしてまとめて展開されるケースも多い
日本ブランドの入り方:
- 日系小売チェーン経由での展開
- 日本・韓国ブランドをまとめて扱う小売業者との協業
- 自社POPUPショップの出店(短期〜中期)
※現時点のフィリピン市場において、韓国コスメが圧倒的に人気となり、その市場で同じ戦略で日本製コスメが正面からぶつかるには大きな投資が必要となります。
◆ EC・SNS経由の販売
- Shopee・Lazada などのECモール
- Instagram・TikTok ショップ
を通じた販売も増えています。
ポイント:
- 正規輸入品と並行輸入品が混在しやすいため、「公式」表記や正規代理店の明示が重要
- レビュー・UGC(ユーザー投稿)の影響力が大きく、口コミをどう育てるかが鍵
- TikTokショップ等は歴史が浅いながら、今後の飛躍的な成長が期待出来るフェーズとなり、投資を行うのであれば早期の投資が中長期的に大きなマーケット確保の可能性を持つ

日本のメーカー・小売が取りうるフィリピン進出パターン
◆ パターン1:現地ディストリビューター経由の輸出・卸
最も一般的でリスクが低いのがこのパターンです。
- 現地ディストリビューターと契約し、輸入・流通を委託
- 主要スーパー・ドラッグストア・ECへのリレーションは、ディストリビューターが担当
- 日本側は、ブランド・商品企画・マーケティングを主導
メリット:
- 初期投資を抑えつつ、主要チャネルにアクセスできる
- 在庫・物流・現地営業の実務負担が軽い
留意点:
- パートナー選定・契約条件(販売目標・レポーティング・エリア権等)が極めて重要
- ブランドの見せ方・価格コントロールの余地をどこまで確保できるかがポイント
- 現地パートナーに任せっきりでは上手くいかない事が多く、 マーケティング支援は日本のメーカー側がテコ入れする必要がある
◆ パターン2:自社ブランドショップ・コーナー出店
- モール内に自社ブランドショップを構える
- あるいは既存小売店内に「ブランドコーナー」として出店する
メリット:
- ブランド世界観を直接伝えやすい
- 定期的なプロモーション・イベントが組みやすい
留意点:
- 賃料・内装・人件費など固定費がかかる
- 売上規模・ブランド力が一定以上ないと採算が取りにくい
中長期的にブランドを育てたい場合や、
他国(タイ・ベトナムなど)との連動で東南アジア全体戦略を組む場合に向きます。
◆ パターン3:EC・越境ECからのテストマーケット
- Shopee・Lazada などのECモールを活用して小規模にテスト販売
- 需要が見込めるカテゴリ・SKUを絞り込み、本格展開につなげる
メリット:
- 小さく始めて、ニーズ・価格帯・レビューを確認できる
- オンライン広告・SNS連動で、比較的スピーディに反応を見られる
留意点:
- 物流・関税・返品対応など、運用面の設計が必要
- オンラインだけではブランド体験が限定されるため、
オフライン展開への橋渡しをどう設計するかが課題 - 現地のECへただ製品を出展するだけでは売れない為、広告戦略等が必須
フイリピンでのテストマーケティングに関する記事【海外輸出・進出・販売はテストマーケティングから。】詳細はこちらをご覧ください。

よくある失敗と商品・マーケティングのローカライズ
◆ 日本と同じラインナップ・価格設定でそのまま持ち込む
- 日本と同じラインナップをそのまま輸出
- 日本と同じ価格帯・パッケージ構成で売ろうとする
結果として、
- ターゲットが極端に狭くなる
- 競合商品と比べたときに割高に見える
- 回転率が上がらず、棚を確保し続けられない
といったことが起きがちです。
対策:
- フィリピン市場に合う SKU・サイズ・価格帯を選定
- 「お試ししやすい容量」と「ヘビーユーザー向け大容量」の両立
- 競合商品と並んだときに、価格・価値が比較しやすい設計を行う
※特に日本企業の製品がフィリピンに出た際に、強豪となるのが韓国および中国製品となります。より安価な中国製品は大衆向けとなり、韓国製品は品質や知名度共に非常に高く、差別化を図る戦略は必須となります。
◆ パッケージ・表記・コミュニケーションが現地向けになっていない
- 全て日本語表記で、何の商品か分かりづらい
- 効能・成分説明が英語化されておらず、誤解を生む
- 現地で伝わりづらいコピー・表現を使ってしまう
対策:
- 商品名・カテゴリ・主要効果は英語で明確に表示
- 現地消費者インタビューを通じて、伝わりやすい表現・ビジュアルを検証
◆ プロモーションをディストリビューター任せにしすぎる
- ディストリビューター任せで、ブランド戦略・プロモーション設計を日本側が握っていない
- 店頭での見せ方・売り方がブランドイメージと合わない
- 売上データや消費者の声が十分に共有されない
対策:
- 日本側でブランドガイドライン・プロモーション方針を明確にする
- 定期的に販売状況・施策結果をレビューし、共同で改善サイクルを回す
- マーケティング戦略は日本側が本格的に動かないとフイリピン現地では売れないケースが非常に多く、現地パートナーと明確な役割分担を行う事が必要となる。
※フィリピン進出のメリット・リスク。進出方法に関する記事は、【日本企業のためのフィリピン進出ガイド】こちらをご覧ください。

※当社がこれまで見てきた様々な日本メーカーのフィリピン進出後の販売状況では、大手メーカーを含め、多くの企業が「現地パートナーに任せきりで売れない」という課題を抱えています。
一方で、日本側もフィリピンの商習慣や現地ニーズへの理解が十分でないため、適切なマーケティング戦略を立てられないというご相談を多く頂きます。
この背景には、多くの場合「ディストリビューターと日本のメーカー側の双方がマーケティングに強くない」という構造的な問題があります。
小売店やECに商品を置いたり掲載したりするだけで、その後のユーザーコミュニケーションやデータ分析が行われていないため、振り返り・分析・戦略立案ができずに悩んでいる企業が非常に多いのが実情です。
このようなケースでは、当社はまず現状分析を行い、現地ディストリビューターと日本側メーカーの“両方の現場”に入り込み、課題の抽出と戦略立案を行ったうえで、具体的なマーケティング施策を組み立てていきます。
こうした施策設計と検証のプロセスがなければ、「とりあえずフィリピンで商品を販売してみる」だけでは、簡単には売れないのが現実です。
Social Zeroがフィリピン日用品・コスメ進出で支援できること
当社 Social Zero は、フィリピン市場での16年の経験とネットワークを活かし、
日用品・コスメ領域でも次のような支援を行うことが可能です。
1 市場調査・フィジビリティスタディ
- カテゴリ別の市場規模・成長性・競合状況の調査
- ターゲットセグメント・価格帯・チャネル構造の整理
- 御社商品ラインナップとのフィット感評価
2 パートナー探索・進出スキーム設計
- 信頼できるディストリビューター候補のリストアップ・面談アレンジ
- 海外営業代行(リストアップからクロージングまでを完結)
- 卸中心/直営ショップ/EC中心など、事業スキームの検討
3 現地展開・運営伴走
- 店頭・ECでのテスト販売・プロモーションの設計
- 販売データ・顧客の声の回収と分析
- フィリピン拠点設立を含めた中長期戦略の策定
4 分析・戦略立案
- フィリピン市場での現状課題の抽出
- 現地代理店やディストリビューターの取り組み分析
- マーケティング戦略立案
- フィリピン拠点設立を含めた中長期戦略の策定
※フィリピンの会社設立に関する記事【フィリピンの会社設立の基本と意外と知られていない注意点を有識者が解説】はこちらをご覧ください。

まとめ:フィリピンは「日本の日用品・コスメ」にとって伸びしろの大きい市場
- 若い人口と中間層の拡大
- 日本ブランドへの高い信頼
- モール・ドラッグストア・ECの発達
という条件が揃ったフィリピンは、
日本の日用品・コスメブランドにとって、今後10年スパンで取り組む価値のある市場です。
一方で、
- 日本と同じ商品・価格・見せ方を、そのまま持ち込む
- パートナー選定とローカライズを軽視する
- 全て現地パートナーに任せっきり
といったやり方では、期待した成果は出にくくなります。
重要なのは、
「日本で売れている商品をそのまま輸出する」のではなく、
「フィリピンの消費者にとっての価値」を起点に、
商品・価格・チャネル・コミュニケーションを設計し直すこと
です。
- 自社の日用品・コスメがフィリピン市場で通用するか知りたい
- ディストリビューターや小売パートナー選定から相談したい
- 小さくテストしながら、中長期の進出戦略を描きたい
といった段階でも、お気軽にご相談ください。
フィリピン市場への日用品・コスメ進出に関する個別相談はこちら
御社の商材・現状・目標を伺ったうえで、
最適な進出パターンと、初期の一歩をご提案いたします。


