海外進出にあたるバングラデシュ現地視察のスケジュールを有識者が解説

2024年現在、バングラデシュは世界第8位の人口規模を誇ります。

さらに、今後20年間の人口ボーナス期を迎える事から豊富な労働力が期待されています。

なおかつ人件費も安価である事から、次なる海外事業拠点地としてバングラデシュが注目され始めています。

システムの開発・制作を自国以外で行うオフショア開発においても、これまではベトナムやフィリピンが人気でしたが、バングラデシュが候補として挙げられる事も増えてきました。

今後、日本からの現地視察での出張者も多く見込まれることから、バングラデシュ現地視察のスケジュールを計画する際のポイントと日本からバングラデシュ現地への準備からホテル到着までの一連の流れについて、ポイントを10個に分けて解説していきます。

地球儀

出張スケジュールの計画ポイント

  1. 到着日と最終日はバッファとして空ける:日本からの 到着日とバングラデシュでの最終日は移動や疲労回復、予期せぬ遅延の余地を考慮してスケジュールに含めないことが望ましいです。
  2. スケジュールにバッファーを設ける:全体のスケジュールの 中日にも余裕を持たせてスケジュールを組むことが重要です。例えば10日間の出張スケジュールを組む場合は、5日目にバッファーを設ける事で、予定していた訪問先での調整が難しくなった場合や他のトラブルが発生した際に、そのバッファー日を活用して柔軟に対応することができます。
  3. アポイントメントの取り方: 訪問予定の企業や工場、商談先とのアポイントメントは訪問の1ヶ月前から取り始めることが一般的です。また、その際に、ご自身が宿泊するホテルエリアからどの位の移動時間が必要か先方の担当者に事前に確認をしておくと移動時間の計算がしやすいでしょう。

往復航空券の予約

日本からバングラデシュへは、バングラデシュ国営航空会社のビーマン・バングラデシュ航空による成田〜ダッカ間の直行便が2023年から就航しており、非常に便利になりました。

フライトスケジュールは以下:

・成田発ダッカ行き

  • 火曜日、水曜日、土曜日の週3便
  • 午前11時00分発、午後3時00分着 (BG377便)

・ダッカ発成田行き

  • 月曜日、水曜日、金曜日の週3便
  • 午後11時45分発、翌日午前9時15分着 (BG376便)

これらの直行便を活用してスケジュールを組むと良いでしょう。

期待はエコノミークラスでもモニターがあり、映画を鑑賞できて、機内食も他のフラッグシップエアライン同等の機内食が提供されます。また、機体のシートも通常の国際線同等の仕様となっております。

ビーマン・バングラデシュ航空

筆者渡航時の成田発ビーマン・バングラデシュ航空エコノミークラス機内の様子

ビザの事前取得

取得期間: 公的機関のページ等では取得期間が1週間から10日と記載されることが多いですが、実際は2週間から3週間かかることが多い為、渡航日から1か月前を目途に申請することを推奨します。ビザの種類にはシングルエントリービザとマルチエントリービザがあり、訪問目的や滞在期間に応じて選ぶ必要がありますが、短期間で複数回の渡航を検討していない場合は、シングルエントリーで取得する事が一般的となります。

必要書類: 申請書類は代行業者が用意してくれるものに必要情報を入力し、その他、証明写真1枚(カラー、4.5cm × 3.5cm)と往復の航空券のコピーとご自身のパスポート原本の提出及び申請料金が必要となります。

  1. 事前のビザ取得の重要性:
    • 日本で事前にビザを取得しておくと、ダッカ空港での入国審査がスムーズに進みます。事前にビザを取得することで、長時間の待ち時間や手続きの遅延を避けることができます。
  2. アライバルビザの問題点:
    • 空港でのアライバルビザ(到着ビザ)の申請は推奨しません。この理由として、空港でビザを申請するカウンターが非常に混雑しており、手続きに時間がかかりすぎることが挙げられます。また、申請書の記入に不慣れな人が誤って記入するリスクもあります。
  3. 入国審査時の注意点:
    • 入国審査では、パスポートの提示が基本です。加えて、審査官がバングラデシュの携帯電話番号を求める場合があります。初めての出張者や現地に住んでいない人は、日本の番号を持っている場合でも、現地の仮の番号や宿泊先のホテルの番号を事前にスマートフォンにメモしておくと良いです。これを提示することで、問題なく入国審査が進むことが多いです。
バングラデシュに出張した際に取得したビザ

写真は筆者がバングラデシュに出張した際に取得したビザのページ。

現地での交通手段

  1. 空港からホテルへの移動: バングラデシュ現地の公共交通機関は日本のようには発展していないため、特に初めての出張者は、空港からホテルまでの移動手段を事前に用意する必要があります。
  2. 運転手付きのレンタカー: 出張期間中は、運転手付きのレンタカーを利用することが一般的です。日系企業が運営するレンタカー会社を利用すると、言語やサービスの面で利便性が高まります。一日当たりの料金は一般的なセダンタイプの車両(ドライバー込み)で約7,000円〜9,000円が相場となります。
  3. 繁忙期や地域に応じた対応: バングラデシュの首都ダッカ市外や遠方への移動を計画している場合、特に交通状況が不安定な地域や雨季での異動時には、より信頼性の高い交通手段を確保することが推奨され、余裕を持った移動が推奨されます。

バングラデシュでのドライバー付きレンタカーの予約

  1. ドライバーの言語スキル:
    • バングラデシュにて日本語を話すドライバーのアサインは困難なため、英語でのコミュニケーションが必要となります。予約時にドライバーが英語が通じるかを事前に確認をしておくことが必要となります。
  2. レンタカーの予約詳細:
    • 出張先や移動ルートを事前にレンタカーサービスに通知しておくことで、バングラデシュ現地でのスムーズな移動が可能になります。
    • 空港到着時の連絡手段として、バングラデシュではWhatsApp(日本でいうLINE)が一般的に利用されています。予約時にドライバーの連絡先を取得し、到着後すぐに連絡が取れるように準備しておくことが重要です。
  3. 空港でのピックアップ方法:
    • 日本からバングラデシュの到着空港であるハズラット・シャージャラール国際空港に到着した際、入国審査のカウンター後ろで一般的にはドライバーが名前を記したプラカードを持って出口で待機しています。このため、到着ゲートを出たところでプラカードを持つ人々の中から自分の名前が書かれたプラカードを探し、ドライバーと合流します。
    • SIMカードを購入してから、WhatsAppなどでドライバーに連絡を取り、指定の場所で合流するのも一つの方法です。
  4. 移動の流れ:
    • ドライバーとの合流後、ホテルや予定地への移動が始まります。この段階で、予定している行程や特別なリクエストがある場合は、ドライバーに明確に指示を出してください。

6、バングラデシュ出張での宿泊先と移動計画ガイド

推奨宿泊先エリア:ダッカ市内グルシャン(Gulshan)地区

バングラデシュの首都ダッカのグルシャン地区はビジネスの中心地であり、日本で言う所の六本木や銀座に相当するステータスの高いエリアです。この地区には各国の大使館や外資系企業、現地大手企業のオフィスが多く、駐在員や出張者等の外国人が集まる地域でもあります。

グルシャン地区にホテルを予約することは以下の理由で推奨されます:

  • アクセスの便利さ:ダッカ市内の視察・訪問先へのアクセスに便利。
  • 飲食店の豊富さ:様々な国の料理を楽しめる多国籍なレストランが豊富。
  • 治安の良さ:大使館や外国人が多いため、比較的安全で治安が保たれています。
パスポート

バングラデシュ入国時のビザ取得と入国審査のポイント

  1. 事前のビザ取得の重要性:
  • 日本で事前にビザを取得しておくと、ダッカ空港での入国審査がスムーズに進みます。事前にビザを取得することで、長時間の待ち時間や手続きの遅延を避けることができます。
  1. アライバルビザの問題点:
  • 空港でのアライバルビザ(到着ビザ)の申請は推奨しません。この理由として、空港でビザを申請するカウンターは到着客で非常に混雑しており、手続きに時間がかかりすぎることが挙げられます。また、申請書の記入に不慣れな人が誤って記入してしまい、列を並び直すリスクもあります。
  1. 入国審査時の注意点:
  • 入国審査では、パスポートやビザ、往復航空券の提示が基本となりますが、加えて、審査官がバングラデシュ現地の携帯電話番号を求める場合があります。初めての出張者や現地に住んでいない人は、現地の仮の番号や宿泊先のホテルの番号を事前にスマートフォンにメモしておくと良いです。また、日本で飛行機への搭乗時に受け取る座席番号が記載されている航空券の半券を出る際に提示を求められるので、これは捨てずに持っておいてください。これらを準備して入国審査委へ臨むことで、スムーズに入国審査が進むことが多いです。

ダッカ空港での到着後の手続き

  1. 荷物受取:
    • 入国審査を終えた後、すぐ左側に荷物受け取りレーンがあります。ここで荷物を受け取ります。
  2. 両替とATM:
    • 荷物受け取りエリアの前後には、両替所とATMが設置されています。現地通貨が必要な場合はここで両替を行うか、ATMから引き出しを行います。
  3. SIMカードの購入:
    • 空港のセキュリティゲートを出ると、正面にSIMカードを販売している店が2、3件並んでいます。ここで必要に応じてSIMカードを購入します。日本からSIMフリーのスマートフォンを持っていけば、購入後にお店の人がセッテイングまで行ってくれるので、すぐにバングラデシュ現地の電話番号とインターネットを利用できます。
  4. 通信環境の準備:
    • 出張前にSIMフリーのスマートフォンを用意するか、または日本から国際ローミング可能なプランに切り替えることが推奨されます。バングラデシュのSIMカードはインターネット接続が快適かつ安価であるため、現地での通信にはこれを利用するのが良いでしょう。

空港からホテルへの移動

  • ドライバーとの合流:
    • 荷物受取後、出口で予約済みのドライバーと合流します。ドライバーは通常、名前が書かれたプラカードを持って待っています。多くは予約時に待ち合わせ場所が共有されますが、入国審査カウンターのすぐ後ろにプラカードを持った複数の人がおりますので、入国審査中にすぐに気づくと思います
  • ホテルへの移動:
    • ドライバーと合流後、予約しているホテルに向かいます。

ダッカから日本への帰国のための夜間移動スケジュール

フライト情報

  • 航空会社: Biman Bangladesh Airlines
  • 出発時間: 深夜、午後11時45分発、翌日午前9時15分着 (BG376便)

空港までの移動

  • ホテルから空港までの所要時間: 通常はダッカ市内中心地から40分前後ですが、渋滞によっては最大1時間強かかることがあります。
  • 出発前の行動: フライト出発時刻の3時間前には空港に到着していることが理想的です。これにより、チェックイン、セキュリティチェック、出国手続きに十分な時間が確保されます。
  • 推奨出発時間: 夜8時を目途にホテル(ダッカ市内中心地を想定)を出発することをお勧めします。これにより、通常の渋滞や予期せぬ遅れに対応でき、安心して空港に向かうことが可能です。

空港到着後の余裕

  • ラウンジ利用: 早めに空港に到着した場合、空港ラウンジでリラックスする時間が確保できます。ここで少し休息を取ったり、軽食を取ったりして、長時間のフライトに備えることができます。プライオリティパスがあると非常に多くのラウンジを利用できるため、お持ちの方はぜひ持参する事をお勧め致します。

渋滞とその対策

  • 渋滞への対応: ダッカの交通は予測が難しいため、特に渋滞がひどい時には出発時間に余裕を持たせることが重要です。これにより、最悪の場合でもフライトに間に合うように調整できます。

この計画に従えば、ダッカからの帰国もスムーズに行えるため、出張の最終日もストレスなく過ごせるでしょう。

念入りな準備で現地視察の効果を最大化させましょう

バングラデシュ現地への視察スケジュールや各ポイントについてお伝えしました。
現地視察のスケジュールは余裕をもって計画し準備をする事でより有意義な視察にすることができます。

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