2023年9月、日本とバングラデシュ間の直行便(成田~ダッカ間)が再開しました。これにより、今後ビジネスや旅行など様々な理由で、より多くの人がバングラデシュを訪れるでしょう。
バングラデシュへの渡航を考える際、服装について気になる方も多いと思います。この記事では、バングラデシュの首都ダッカで実際に生活していた日本人女性が、自身の経験を交えながら、日本人女性向けにバングラデシュにふさわしい服装を説明します。ぜひ参考にしてください。
Contents
バングラデシュの気候
バングラデシュの国土のほとんどは熱帯モンスーン気候に属しており、一般的に夏季、雨季、乾季の3つの季節に分けられます。
以下のダッカと東京の気温比較表を見ると分かるように、バングラデシュは一年を通じて温暖です。さらに、全体的に湿度も高い傾向にあります。
夏季(3月〜6月)
バングラデシュの夏季は非常に暑く、湿度も高いです。特に4月は年間で最も暑くなります。近年その暑さが増しており、2024年4月には首都ダッカで58年ぶりの高温記録である40.5度を記録しました。
雨季(6月〜10月)
バングラデシュの雨季はモンスーンの影響を強く受ける季節で、年間降水量の大部分がこの期間に集中します。6月中旬から10月中旬が雨季で、6〜7月が最も降水量の多い月です。頻繁に足元や膝が浸る程度の洪水が起こります。道路がぬかるみ、それによる通行止めも珍しくありません。
気温は夏季ほどは高くありませんが、高温多湿の状態が続きます。
乾季(11月〜2月)
モンスーン明けの乾季は気温が下がり、降水量も少なく、比較的乾燥した気候になります。日中晴天の場合は気温も25~28度ぐらいで快適で過ごしやすく、旅行や観光におすすめのシーズンです。しかしながら12月~2月は朝晩非常に冷え込むこともあり、注意が必要です。
バングラデシュの服装の基本ルールとコツ
バングラデシュはイスラム教圏の国です。そのため、服装には文化的なマナーや宗教的な配慮が必要になります。以下に、基本的なルールと服装選びのコツを紹介します。
肌の露出を極力避ける
まず、肌の露出を避けることが重要です。バングラデシュでは多くの人がイスラム教徒で、宗教的な服装の規範があります。特に女性は肩や膝、脚を覆う服装が推奨されています。
実際、街中でもほとんどの女性が肌の露出を控えています。
シーンや季節問わず、長袖のトップスやパンツなどが適しているでしょう。
温度調整できる小物を持ち歩く
バングラデシュの夏季は非常に暑いですが、室内はエアコンが効いており涼しいことも多いです。そのため、外出時には温度調整ができる小物を持ち歩くと便利です。
例えば、薄手のカーディガンやショールがあれば、外の暑さと室内の冷房の温度差に対応できます。また、帽子やサングラスも暑さ対策に役立ちます。
柄や色は自分好みに楽しんで
バングラデシュ人は一般的にカラフルな色を好みます。筆者もバングラデシュでは華やかな色の洋服を着用している人を多く見かけました。そのため、カジュアルなシーンや私服であれば服の色を特別気にする必要はありません。明るい色や華やかな柄の服を選ぶことで、現地の雰囲気に溶け込みやすくなります。
ちなみに、バングラデシュの伝統的な衣装であるサリーやサルワールカミーズにも、様々な色やデザインが施されています。
女性の出張やビジネスシーンでの服装
バングラデシュへの出張や、現地でのビジネスシーンにおける服装について説明します。
商談やミーティング、オフィス訪問など
商談などの改まった場では、女性の場合、ノースリーブ以外のシャツ(半袖または長袖シャツなど)にパンツスーツが一般的です。
シャツの素材は、綿や麻など汗を吸収しやすいものを選ぶと快適に過ごせます。
服装の色については特別なルールはありませんが、ビジネスシーンでは落ち着いたトーンが良いでしょう。
日本ではスーツの場合タイトスカートも一般的ですが、バングラデシュでは成人女性がスカートを履くことは少ないです。そのため、パンツスーツやスラックスの方が無難でしょう。
足元は基本的にはスニーカーで問題ありません。バングラデシュはまだ地面が綺麗に整備されていない場所も多く、雨季には道路がすぐにぬかるむため、ヒール付きのサンダルやパンプスは個人的におすすめしません。
現地の人々との交流イベントなど
現地法人のメンバーとの懇親会など、フォーマルではなくカジュアルなシーンであればバングラデシュの伝統衣装を着るのもおすすめです。これは地元の文化に触れ、現地の人々と親密な関係を築く良い機会となり得ます。
バングラデシュの女性の民族衣装は主に2種類あります。サロワカミューズとサリーです。元々は未婚女性はサロワカミューズ、既婚女性はサリーとなっていたようですが、最近では未婚・既婚関係なくサリーやサロワ―ルカミーズが着られています。
これらはイスラム教というよりもベンガル文化の服装であるため、日本人女性でも挑戦しやすいように思います。サリーは普段着としては着崩れしやすい事もあり、現地ではサロワ―ルカミーズが普段着として多くの人に着用されています。ちなみに、サロワカミューズは、サロワール(パンツ)、カミーズ(チュニック)、ショールの3点で構成されている衣服です。
サロワカミューズやサリーは、カラフルで華やかなデザインが多く、特別な場面をより一層盛り上げてくれるでしょう。
女性の旅行者や観光の際の服装
女性がバングラデシュ旅行する際の服装について述べます。
現地の日常的な服装
バングラデシュを旅行する際には、日常的にはカジュアルで動きやすい服装が良いです。例えば、長袖Tシャツとジーンズ、カジュアルシャツなどがおすすめです。なお、バングラデシュではシーン問わず露出が少ないデザインの服を選び着用するようにしてください。バングラデシュでは、人の肌の露出に対して敏感です。
夏の旅行には、軽くて通気性の良い服を選びましょう。バングラデシュの夏は非常に暑く、湿度も高いため、涼しい素材の服装が快適です。また、バングラデシュは日差しが強いので、日焼け止めや帽子、サングラスの使用もおすすめです。
乾季の旅行には、朝晩の寒さに備えてジャケットやセーターを持参しましょう。日中は比較的暖かいバングラデシュですが、朝晩は相当冷え込むことがあります。1日の気温差が激しいので、温度調整しやすいように工夫してください。
観光地での服装
観光地では特に控えめな服装を心がけましょう。特にモスク(寺院)や宗教施設を訪れる際には、肌の露出を意識して避けることが重要です。服装によっては、見学ができないこともありますので、ご注意ください。
旅行の際は、常にスカーフやショールを持ち歩くようにすると便利です。これにより、急な寒さ対策や露出対策が可能です。
現地での服装の調達について
バングラデシュ現地で服装を調達すると、荷物を減らすことができる上、思い出作りの一つにもなります。ただし、バングラデシュは洗濯のハードルが日本に比べて高いことと、現地での購入はぼったくり被害に遭うことが大変多いので、注意が必要です。
まず、洗濯についてです。
バングラデシュは、日本に比べて洗濯機がない所が多いです。首都のダッカでも同様です。
洗濯機がない場合は市内のクリーニング屋を利用するか手洗いになるかと思いますが、現地のクリーニング屋は所謂ローカル向けのため、外国人観光客や出張者には利用ハードルが高いように思います。
そのため、短期滞在であれば、現地では洗濯をしない前提である程度洋服の枚数を揃えていくのが良いかもしれません。
続いて、ぼったくりについてです。
ぼったくりを避けるために、現地では固定価格販売をしているお店を選ぶことをおすすめします。
特に言い値で販売しているお店は、適正価格の2~3倍で提案してくるところが多いです。そのため、多少値切れたとしても結局適正価格よりも高く支払っているケースが少なくありません。それでも、バングラデシュは日本に比べて物価が安いため、旅行者や短期滞在の方への経済的なダメージは少ないかと思いますが、上記を頭に入れておくといいでしょう。
筆者は現地の衣料品の調達の際は、固定価格のお店に行くようにしています。
AarongやArtisanといったチェーン店を好んでよく利用します。
また、Yellowというお店も固定価格かつチェーン店なので、安心して買い物ができ、お勧めです。
※バングラデシュの治安については以下の記事も参考にしてください。
バングラデシュにマッチする服装を選んで快適な滞在に
バングラデシュで快適に過ごすためには、滞在時の気候と文化を事前に理解し、それに合わせて適切な服装を準備することが重要です。
事前の準備をしっかりと行い、現地での体験を最大限に楽しんでください。
この記事を参考に、バングラデシュへの出張や旅行が素晴らしいものになれば幸いです。