ブリッジエンジニア採用の注意点とは?100名以上の面接経験者が解説

ブリッジエンジニアは、オフショア開発プロジェクトの成功において極めて重要な役割を果たします。彼らの採用と教育がプロジェクトの成功を左右すると言っても過言ではありません。しかし、オフショア開発需要が増す中で適切なブリッジエンジニアを見つけることは容易ではなく、多くの企業がその採用過程や採用後に課題に直面しています。本記事では、100名以上のブリッジエンジニアの面接経験を持つエキスパートの視点から、ブリッジエンジニアの採用とその後の育成教育で気を付けるべきポイントを詳しく解説します。

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オフショア開発とブリッジエンジニアの役割

オフショア開発とは、海外のリソースを活用してシステムやソフトウェアを開発するプロセスを指します。このプロセスにおいて、ブリッジエンジニアは、日本側のチームとオフショアのチームを結びつけ、プロジェクトの成功に不可欠な役割を担う専門職です。彼らは、クライアントの要求・要件を理解し、プロジェクトの進捗を管理し、問題が発生した際には速やかに対処する能力が求められます。また、技術的な理解だけでなく、互いの言語や文化の違いやパーソナリティ等を理解し、双方のチームと円滑なコミュニケーションができるよう橋渡しの役割りを担い、プロジェクトを成功に導く非常に重要な役割を果たします。

特にオフショア開発でのシステム開発におけるブリッジエンジニアの役割は、時に複雑な仕様の理解をオフショア開発チームに共有して正確な理解をしてもらう事が求められ、高度なコミュニケーション技術が求められます。

ブリッジエンジニア採用の現状

近年、オフショア開発の需要が増加する中で、ブリッジエンジニアの採用がますます重要視されています。しかし、その需要に対して供給が追いついておらず、優秀な人材を見つけることが難しくなっています。また、採用が難しい理由として、技術力やコミュニケーション能力、異文化理解など、多岐にわたるスキルセットが求められる点が挙げられます。

筆者もこれまで多くのブリッジエンジニア採用に携わる中で、求める採用要件の緩和や即戦力人材のシニアレベルやポテンシャル人材のジュニアレベル等に求人を分けて募集をしたり、応募の間口を広げつつ面接時にしっかり見極める事を心がけてきました。

その見極めポイントを解説していきます。

ブリッジエンジニア採用で気を付けるべきポイント

技術力の確認

ブリッジエンジニアには、高い技術力が求められます。面接では、候補者のスキルを確認するために、具体的な実務経験やプロジェクトでの役割について細かく質問することが重要です。例えば、“大規模システム開発でのオフショア開発連携”という記載が経歴書上にあっても、具体的にどのポジションでどこからどこまでを担当し、どの様な連携方法と取っていたのか、その中での課題や解決エピソード等を細かくヒアリングします。

    また、自社で面接時の技術試験を持っている企業様の場合は、それらを実施することで実際の技術的な能力を評価することも有効です。

    さらに、ポテンシャル人材でまだ技術力が高くないが成長性があるという候補者には、類似の開発言語の経験があるかや、技術に対する興味度合いを図るとよいでしょう。筆者の経験上では、技術や関連資格に興味がある候補者は入社後も自発的に学習して、技術のスキルアップスピードが早く、多言語の適応能力も高い傾向があります。

    コミュニケーション能力

    オフショア開発では、異文化間でのコミュニケーションが成功の鍵を握ります。ブリッジエンジニアが、言語の壁を越えて円滑なコミュニケーションを行えるかどうかを確認することが重要です。例え語学力が高くても、伝え方が適切でないとカルチャーギャップのあるオフショア開発チームには適切に伝わらない事があります。

      また、異文化理解や柔軟な対応力、相手国へのリスペクト等を持ち合わせているかをチェックする事が、採用の際には重要なポイントです。筆者の経験上での候補者のNGな傾向として、オフショア開発先を下に見る傾向がある候補者は、必ずオフショア開発チームとコンフリクトを起こし、生産性を下げて炎上案件委に展する傾向があり、このような候補者は採用を見送ります。

      プロジェクト管理経験

      ブリッジエンジニアには、プロジェクト内での開発進捗管理やリスク管理の経験が求められます。候補者がどの程度のプロジェクト管理経験を持っているか、その中でどの様な部分に責任を持っていたのかや、PMやPMOといった別のポジションとブリッジエンジニアでどの様に役割分担をしていたのか、オフショア開発チームとブリッジエンジニアでどのように役割分担をしていたのか等を詳細に確認しましょう。

        仮に、“全体進捗管理はPMが行い、開発進捗管理はオフショア開発側のPMやリードエンジニアがしていた。”という事であれば、このプロジェクト内ではこの候補者はプロジェクト管理経験が無いと判断できます。一方で、それらの動きを別のプロジェクトでは再現出来る可能性があるのかを、面接時の質問でどの様に再現できるか質問してみる事も判断する上では有効です。

        柔軟性と適応力

        オフショア開発には予期せぬ問題がつきものです。ブリッジエンジニアには、突発的な問題に迅速に対応し、変化に柔軟に対応する能力が必要です。面接では、過去の経験に基づいて、どのように問題に対処したかのプロセスを含めて確認する質問をすることが効果的です。

          例えば、“急な仕様変更があり、委託先のオフショア開発チームがスケジュール内で対応出来ないとなった際に、●●●をする事で解決に導いた。”や、“品質が伴わないアウトプットが出てきた際に、●●●を実施して品質の向上に寄与した。”等の具体的なエピソードを話せる候補者は、同様のトラブルが起きた際に再現性をもって臨機応変に対処できる可能性があります。

          語学力

          ブリッジエンジニアは国を跨いだチームでプロジェクトを進める為、高い語学力が必要となります。その中で、日本企業のクライアントの要求を理解し、要件定義フェーズにもアサインする想定であれば、外国籍の場合は日本語ビジネスレベル以上で日本のハイコンテクストなコミュニケーションに慣れているか、また、日本人であればオフショア開発先への連携で複雑な仕様を理解して、適切な情報の共有がドキュメントベースだけでなく、オンラインミーティング等でオフショア開発チームの理解度合を測りながら相手国の言語で仕様を説明し、随時上がってくるプルリクエスト等に対して適切な回答ができるかが、プロジェクトの開発進捗や品質に大きな影響を及ぼします。

            簡単なサイト制作等であれば、そこまで難解な仕様の説明や複雑な開発手法は想定されない為、多少語学力を妥協してもChatGPT等を活用しつつ対応できる可能性はありますが、大規模なシステム開発や複雑な仕様の開発は語学力は非常に重要な要素となります。


            面接官

            成功するブリッジエンジニア採用のステップ

            候補者のスクリーニング方法 

              履歴書や経歴を詳細に確認することはもちろん、技術試験やシミュレーションを通じて、候補者の実力を正確に評価しましょう。また、異文化コミュニケーション能力や異文化へのリスペクトをもっているか、これらの要素を持ち合わせているか、またそれらのポテンシャルはあるかを見極める事により、面接の段階でミスマッチを防ぐことができます。

              面接プロセスの構築 

                面接では、複数のステージを設けることが推奨されます。例えば、技術面、コミュニケーション面、プロジェクト管理面と、各分野に特化した面接を行うことで、候補者の総合力を見極めることができます。また、可能であれば面接官もオフショア開発側のマネジメントや直接コミュニケーションを取るメンバーが入る事で、採用後に直接プロジェクトを行うメンバーの視点で評価をする事が出来ます。

                採用後のフォローアップ 

                  採用後のオンボーディングプロセスも重要です。ブリッジエンジニアが新しい環境にスムーズに適応し、プロジェクトに貢献できるよう、継続的なトレーニングとサポート体制を整えましょう。最初のオンボーディングやOJTでの各種社内ルールやプロジェクト概要の研修を行う事と同様に、オフショア開発というグローバルな環境で異文化コミュニケーションが必要な業務は研修を初期段階でしっかり行う事がプロジェクトの成功や、チームの健全な体制構築に必要な施策となります。

                  ブリッジエンジニア採用の成功事例

                  筆者のこれまでのブリッジエンジニア採用の経験では、採用プロセスの見直しや採用後の研修プランを立てて有効な育成教育行う事で、オフショア開発チームとのコンフリクトやコミュニケーションエラーが減り、結果的に多くのプロジェクトを成功に導きました。また、採用プロセスの中で、技術力や単にブリッジエンジニアの経験だけでなく、異文化コミュニケーション能力やプロジェクト管理能力にも重点を置いた結果、チーム全体の生産性が向上し、クライアントの満足度も向上しました。

                  ブリッジエンジニアの採用と育成教育は、オフショア開発の成功に不可欠な要素です。適切な人材を見つけるためには、技術力だけでなく、異文化コミュニケーション能力やプロジェクト管理能力など、幅広いスキルセットを持つ候補者を探し出す事が必要となり、採用後の育成も非常に重要な要素となります。

                  当社では、採用のサポートから採用後の研修まで、多くの成功事例から、貴社の状況に応じた形でご提案をさせて頂きます。ヒアリングからご提案まで無料の相談フォームからお問い合わせください。

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