ご要望
初年度のベトナム法人の立ち上げに失敗し、大きな課題を抱えた状態で現地法人の責任者不在で事業が止まっている為、早期に現地法人の事業再生を依頼したい。
当社のご支援内容
まずはASEAN拠点を管理しているシンガポール本社にベトナム現地法人の状況ヒアリングをした上でベトナム現地へ趣き、現地法人の状況調査実施。その後、現地法人の状況が非常に事業リスクが多い状態であったため、前任者の引継ぎが受けられない状態で可能な限りのリスクの洗い出しや状況から事業再生のプランを作成し、まずはマイナスをゼロ地点に戻す作業から入り、その後にプラスへと転換する事業計画を作成し、それらの承認を得て現地法人の事業再生を実施しました。
- 現状の事業把握及びリスクの洗い出し
- 現地法人の売掛金回収作業
- 関係各所への訪問及びヒアリング
- 現地サプライヤー・ベンダー開拓
- お金周りの整理と精算の為に現地会計事務所や税務署との連携
- 登記、会計、税務、法務関連の社内各書類の整理
- 未払いの税金や延滞金の精算
- シンガポール本社へ計画に基づく当面の運転資金の国際送金手続き
- 立ち上げ初年度でのM&A失敗による法的問題の解決
- 残された現地従業員の人事・労務課題可決
- 現地従業員の再教育
- 人事評価制度構築
- 3か年事業計画作成支援 (主に定量的な損益計算書)
- 新たな現地会計事務所契約
- 新規顧客開拓
- 新規パートナー開拓
- 事業計画書の随時アップデート
- 現地従業員採用・マネジメント
- ベトナム市場以外のプロジェクトの新規市場対応拡大(タイ市場)
- ヨーロッパ市場プロジェクトの新規市場対応拡大
- 大手旅行代理店との協業開始
- 地方自治体公示案件対応拡大
- 連結決算連携 (シンガポール本社からの監査人連携)
- 監査対応 (シンガポール本社からの監査人連携)
- 次年度予算計画策定
成果
- 現地作業開始後6か月間で、マイナスをゼロ地点へ戻し事業再開が出来る状態に
- 給与削減せずに、現地法人の年間ランニングコスト50%削減達成
- 前年比売上200%達成
- 監査不備や未払い各請求の精算による税務署の勧告回避
- M&A失敗による法務課題の解決
- 過去の顧客やパートナー開拓による信頼の回復及び、事業拡大に貢献
- 事業再生2期目には黒字化近い業績まで回復
- 次年度以降の事業拡大の基盤構築完了
- 事業再生完了に伴いシンガポール親会社及び日本本社の事業継続承認取得
担当者のコメント
今回のクライアント様はベトナム進出の失敗から事業再生を行ったケースとなります。
私がベトナム現地法人に赴任した際には、デスクの中にぐちゃぐちゃの請求書や契約書が散乱しており、立ち上げを行った責任者が問題を起こし失踪してしまった状態であった為、情報収集を行うための引継ぎ等が一切出来無い状態で事業再生を開始をしました。
この様な状態では、運転資金のみ流れていく事や税金の延滞金や訴訟リスク等での賠償金や事業停止等が発生する可能性もある為、まずはリスクの精査から着手し、懸念事項がクリアになる状態が見えてから現地法人の営業活動を行うべきと考えます。理由としては、万が一リスクを考慮せずに手元の運転資金欲しさに営業活動を再開してから後に撤退が決まってしまうと、初年度で信頼を失ってから改めて関係を継続してくださった顧客やパートナーの信頼を再度失い、他拠点にもネガティブな影響が及ぶ可能性がある為です。
そのため今回のケースでは、まず初めに潜在リスクを含めて現地法人の事業運営上のリスクを可能な限り明確にし、一つ一つ懸念点を解消しながら現地法人の状態を健全なゼロ地点に戻す作業を実施しました。
一旦、現地法人を健全なゼロ地点に戻した後は改めて事業計画を作成し、営業活動やパートナー開拓の攻めの動きを行いながら、体制の強化や同社ASEANグループ企業内での健全な情報共有や協業体制の構築、第三者チェック体制の構築等を行い、現地法人の運営が俗人化して同様の失敗が起きない体制を構築し、最終的に事業再生を完結することが出来ました。
ベトナムには現在2,500社程の日系企業が進出しているとされておりますが、その数字以外にも撤退していく企業様や事業を拡大していく企業様もあります。
海外進出をする際には、さまざまなリスクや不測の事態が訪れますが、事前の準備や余裕を持ったスケジュールや予算を確保する事を推奨し、撤退ラインやさまざまなオプションを用意しておくことで万が一不測の事態が起きた場合でも適切な対処をすることで、事業回復を図ることが出来ます。
また、進出国の商習慣やリスク等を理解しているのとそうでないのとでは大きな違いが生まれます。
海外進出や事業再生は知見や実績のある専門家に委託する方がスムーズかつ、トータルでコストダウンや早期の事業拡大に繋がると考えます。