―― 現地新規開拓・日本本社との連携・営業代行の使い方
Contents
このガイドでわかること
- フィリピン進出企業が「営業」でつまずきやすい典型パターン
- 現地法人と日本本社の役割のズレ・ボトルネック
- 現地営業を強化する3つの選択肢(自前・代理店・営業代行)の整理
- フィリピンで新規開拓を進めるための現実的なステップ
- 海外営業代行サービスを使うべき企業・使いどきの判断軸
※本記事は、当社Social Zeroがフィリピンを含む海外での営業・販路開拓支援を行う中で、日系企業から多く寄せられる相談内容をもとに整理しています。

1. フィリピン進出企業が営業でつまずく典型パターン
1-1. 「フィリピンには工場だけ、営業機能は日本任せ」
- 日本本社が日本市場向けの営業に追われている
- フィリピン現地法人は「生産拠点」として位置づけられ、営業機能がないor弱い
- 結果として:
- 「日本で受注した仕事をフィリピンに流す」ことが前提
- 日本側の既存顧客(大手数社)の状況に、フィリピン法人の業績が大きく左右される
典型的には、自動車部品・機械加工・金属加工・樹脂成形などの製造業で、
- 何年も特定の大手(例:鉄鋼・自動車・農機・食品メーカー)から仕事を受注
- 新規顧客開拓はほとんど行ってこなかった
- 国内市場の縮小等により、既存顧客からの発注が減少
- フィリピン工場の売上・利益が急激に悪化
というケースが増えています。
1-2. 「現地に営業担当を置いたが、うまく機能しない」
現地で採用した営業担当が、期待どおりに動かないという相談も多いです。
よくある要因:
- 採用時に「営業経験」よりも「日本語力や英語力」を優先してしまう
- 製造現場や技術周りの出身で、営業スキルや顧客開拓の経験が不足
- 顧客リストやターゲット戦略がない状態で、個人任せの営業
- 日本本社とのコミュニケーションが不足し、狙うべき顧客像が曖昧
- “とりあえずやってみる”で責任の所在や目標値も曖昧で、コミットメントできていない
結果として、「何となく活動はしているが、数字に結びつかない」「辞めてしまう」「採用~教育のコストだけが積み上がる」という負のループに陥りがちです。
1-3. 「紹介・展示会頼み」で安定したパイプができない
- 既存取引先からの紹介
- 業界展示会への出展
- 日本の商社・代理店からの紹介
こうした活動は一定の効果がある一方で、「再現性」と「継続性」の不足が課題になります。
- 展示会のタイミングに依存する
- 紹介は、紹介元の都合次第で止まる
- 代理店は自社以外の他社製品も抱えているため、優先順位は不明
長期的な売上の柱にするには、「自社でコントロールできる営業パイプライン」を別に持つ必要があります。

2. フィリピン現地法人と日本本社の「役割ギャップ」
2-1. 日本本社の認識:
「フィリピンはあくまで“生産の場”、営業は日本でやる」
- 海外拠点は「コスト削減」「増産対応」が目的で作られた
- 営業は日本で完結する、という前提で組織設計がおこなわれている
- 海外現地市場を取る「攻めの拠点」として設計されていない
2-2. フィリピン側の現実:
「現地の日本企業・ローカル企業・他国市場にも売りたい」
- 周囲には日系メーカーや現地メーカーが多数ある
- しかし、それら向けの新規営業をできる人材・仕組みがない
- 「やったほうがいいこと」はわかるが、
- 顧客候補リストもない
- 誰が、どのように、何を持って売り込めばいいかがわからない
- 責任の所在やコミットメントも曖昧
2-3. 結果として起きること
- 日本本社の売上減少が、タイムラグをもってフィリピンにも波及
- フィリピン法人は赤字に転落、在庫・人件費などの問題も顕在化
- 「本社の売上が戻らない限り、フィリピンも厳しい」という構図になり、事業全体のリスクが急激に高まる
この状況を脱するには、「日本本社」と「フィリピン拠点」の役割を改めて設計し直し、
- 日本:戦略・技術・重要顧客の関係維持
- フィリピン:アジア・フィリピン国内向け・新市場の新規開拓・量産
というように、営業機能を「フィリピンにも一部移す」発想が必要になります。
当社の経験上、海外生産拠点の進出初期は生産活動に注力する事が一般的であり、優先順位も高いですが、生産体制が安定してきたタイミングで現地法人の営業機能に投資する事も、中長期的な事業戦略上必要となります。

3. フィリピン現地営業を強化する3つの選択肢
フィリピンでの営業力を強化する方法は、大きく3つに分かれます。
- 自社で営業人材を採用・育成する
- 代理店・販売店に任せる
- 海外営業代行を活用する
それぞれの特徴を整理します。
3-1. 自社採用(現地営業の自前化)
メリット
- 自社専任で動いてくれる
- 長期的には、社内に営業ノウハウが蓄積する
- 製造現場との連携がしやすい
デメリット
- 採用・教育に時間とコストがかかる
- 「日本語ができる=営業ができる」ではない
- 1〜2人採用しても、ノウハウが属人化しやすい
- 失敗した場合、数年単位のロスになる可能性がある
向いているケース
- 既にある程度の顧客基盤があり、「フォローと深耕」が主目的
- 長期的に現地市場を深く掘る覚悟とリソースがある
3-2. 代理店・販売店に任せる
メリット
- 既に持っている顧客ネットワークを活用できる
- 自社でゼロから顧客開拓するよりスピードが出る
- 固定費を抑えやすい
デメリット
- 自社製品は多くの取り扱い商品の一部にすぎない
- 売る/売らないの優先順位が見えにくい
- 情報共有が遅くなり、顧客ニーズが見えにくい
向いているケース
- まずは「試しに」市場反応を見たい
- 自社で営業体制を持つほどの規模・覚悟はまだない
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3-3. 海外営業代行を活用する
メリット
- 立ち上がりが早い(すでにある体制・ノウハウを活用)
- 「リストアップ〜アポイント獲得」など、営業プロセスの一部だけを任せられる
- 社内の営業リソースを、技術説明やクロージングに集中させられる
デメリット
- 「丸投げ」しても成果は出にくい(事前の戦略整理は必要)
- 製品や業界の理解に一定の時間が必要
- 自社側にも、定例ミーティング等のコミュニケーション負荷が発生する
向いているケース
- 既存顧客頼みで、新規パイプラインがほぼない
- 現地に営業をフル採用するほどの予算・確信はないが、「動き出す」必要性が高い
- 製造現場や技術者はいるが、外に出て営業する人材がいない

4. 海外営業代行を「使うべき」企業の特徴
フィリピンでの新規開拓において、海外営業代行が特にフィットしやすいのは、次のような条件を持つ企業です。
4-1. 既存大手依存から脱却したい製造業
- 自動車・建機・農機・医療・食品向けなど、特定業界への売上依存が高い
- その業界が落ち込んでおり、受注が長期的に減少している
- エレクトロニクス・産業機械・インフラなど、他業界にも製品が適用できる可能性がある
→ 「どこに」「どう売り込めるか」の整理から必要になるケース
4-2. フィリピンに生産拠点はあるが、営業拠点はない/弱い
- フィリピン工場を持ち、一定の生産能力がある
- 日本の受注状況次第で、工場稼働率や利益が大きくブレる
- フィリピン国内・周辺国向けに「自分たちで仕事を取りに行く」体制を持ちたい
→ 営業代行で「現地リード創出・アポイント獲得」を代替し、日本・フィリピンの技術・製造部隊に繋いでいくモデルが有効
4-3. 現地人材の営業スキル・言語に不安がある
- 営業候補者は「製造経験」や「日本語力」はあるが、営業経験が乏しい
- いきなりフルスペックの営業マネージャーを採用するのはリスクが高い
- 最初は「外部のプロ」と組み、どのような顧客が獲得できるのかを検証したい
→ 営業代行を「営業の型づくり」と「検証」のフェーズとして活用し、その後の社内採用につなげるパターンもあります。
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5. フィリピンで新規開拓を進めるための現実的ステップ
「とにかく営業代行を使えばいい」という話ではありません。
フィリピンでの新規開拓を進めるためには、次のステップで考えると現実的です。
ステップ1:現状の整理(数字と体制)
- 日本本社の売上構成(顧客別・業界別・製品別)
- フィリピン工場の稼働率・利益状況(赤字/黒字の要因)
- 既存顧客の見通し(増減の要因・時期)
- 日本・フィリピン双方の「営業工数」の実態
この段階で、
- 「このまま何もしなければ、あと◯年でどうなるか」
- 「新規売上として、どれくらい必要か」
をざっくりでも把握することが重要です。
ステップ2:狙うべきターゲットの仮説を立てる
- 既存顧客・既存用途から、横展開できる業界・企業規模を洗い出す
- フィリピン国内の日系企業・ローカル企業の中から、「自社の強みがハマりそうな先」をイメージする
- 可能であれば、最低でも「優先ターゲット3〜5カテゴリ」を決める
例:
- 自動車部品 → 建機・農機・産業機械・プラント向け部品
- 精密加工 → 医療機器・半導体装置・食品機械向け部品
- 樹脂成形 → 家電・OA機器・住宅設備向け部品
ステップ3:営業プロセスを分解して「どこを外部化するか」を決める
営業プロセスは、ざっくり次のように分かれます。
- リストアップ(ターゲット企業・担当者の洗い出し)
- アプローチ(メール・電話・SNS・紹介など)
- アポイント獲得(初回面談の設定)
- ニーズヒアリング・提案
- 見積・試作・評価
- クロージング・フォロー
一般的な海外営業代行に任せやすいのは、主に「1〜3」の部分です。
※当社ではクロージングまでトップセールス営業で完結する仕組みを提供しています。
- ターゲットリストの整備
- 初回コンタクト/アポイント取り
- 必要に応じて、一次ヒアリングまで
「4〜6」は、自社の技術・品質・仕様の理解が不可欠なので、
- 日本側の営業・技術
- フィリピン工場の責任者
といった社内メンバーが主担当となるのが一般的です。
ステップ4:試行期間(3〜6ヶ月)のKPIを決める
- 「問い合わせ◯件/月」
- 「アポイント◯件/月」
- 「見積提出◯件/月」
など、成果の中間指標を決めたうえで、
- 3ヶ月:仮説検証&改善
- 6ヶ月:ある程度の手ごたえの有無を判断
というイメージで進めると、社内の期待値コントロールがしやすくなります。

6. Social Zeroの海外営業代行活用イメージ(概要)
詳細はサービスページ(
https://social-zero.com/services/overseas-sales-outsourcing/
)をご覧いただきたいですが、フィリピンを含む海外営業代行の一般的な流れは次のようなものです。
- 無料相談・現状ヒアリング
- ターゲット候補の整理・施策の設計
- リストアップ・アプローチ文面の作成
- アプローチ・アポイント獲得(オンライン/オフライン)
- 定例報告・改善(どの業種・どのタイプの企業が反応しているか)
- 日本・フィリピン側の技術者・営業にバトンを渡し、具体案件化
製造業の場合は特に、
- 技術的な説明・仕様確認は状況に応じて日本側/フィリピン工場側でサポート
- 「見込み顧客と出会うところまでの活動」と「クロージング」は外部の営業代行
というように役割分担することで、「最少のリソースで新規開拓を始める」ことが可能になります。

7. まとめ:フィリピン進出企業が今考えるべきこと
- フィリピンに工場を持つ日系企業は、「日本発注依存」のままでは、業界変化に巻き込まれやすい
- 現地営業を強化する方法は、「自社採用」「代理店」「営業代行」の3つがあり、フェーズとリソースに応じて組み合わせるべき
- 海外営業代行は、「新規パイプラインづくり」と「現地営業の型づくり」を短期間で進める手段として有効
まず取り組むべきは:
- 日本本社・フィリピン拠点を含めた「現状と5年後の見通し」の棚卸し
- 自社の強みを活かせる「優先ターゲット」の仮決め
- 営業プロセスの中で「どこまでを外に任せるか」の方針決め
そのうえで、「フィリピンでどのような営業モデルを構築すべきか」を、外部パートナーと一緒に設計していくことをおすすめします。
フィリピンでの現地営業・新規開拓について相談したい方へ
- 「フィリピン工場の売上が落ちてきている」
- 「現地に営業がいない/うまく機能していない」
- 「営業代行を使うべきか、自社採用すべきか悩んでいる」
といったお悩みがあれば、御社の状況を前提にした「最適な進め方」を一緒に整理します。
▶ フィリピン向け海外営業代行サービスの詳細はこちら
https://social-zero.com/services/overseas-sales-outsourcing/
▶ 自社の場合どう進めるべきか相談する(無料オンライン相談)
(※お問い合わせフォームからご連絡をいただければ、担当よりご連絡いたします)



