―― 取引スキームと商流の基本【メーカー・商社向け】
Contents
このレポートでわかること
- ホーチミンの主要スーパー(サイゴンセンター/AEONなど)に日本製品が並ぶまでの商流イメージ
- 日本メーカー・商社が関わる典型的な取引スキーム(誰と契約するのか)
- 小売価格が決まるまでの流れ(原価 → 輸入コスト → 卸 → 店頭)
- これからベトナム進出・販路拡大を目指す日本企業が、最初の3〜6ヶ月でやるべきこと
- 当社のような支援会社・営業代行をどのように組み込めるかのヒント
※本記事は、2026年4月に実施したホーチミン市内スーパーでの日本製品 店頭調査レポートの続編です。
(前提となる店頭状況はこちらの記事を参照:ベトナムのスーパーで見る日本食品・コスメの品揃えと価格)

1. ベトナム小売で日本製品が「棚に並ぶ」までの全体像
1-1. 典型的な商流パターン(大まかな構図)
ベトナムのスーパーやデパートに日本製品が並ぶまでには、一般的に次のようなプレーヤーが関わります。
- 日本側:
- メーカー(ブランドホルダー)
- 日本国内の商社・輸出業者
- ベトナム側:
- 輸入商社・ディストリビューター
- サブディストリビューター(地方/チャネル別)
- 小売チェーン(スーパー・デパート・コンビニ・ドラッグストア 等)
シンプルに描くと、次の3パターンが多いです。
- 日本メーカー → 日本商社 → ベトナム輸入商社 → 小売(AEON/サイゴンセンター等)
- 日本メーカー → ベトナム現地法人 → 小売
- 日本メーカー → ベトナム輸入商社(直) → 小売
「自社はどこまでを自前でやるのか」「どこから現地パートナーに任せるのか」が、戦略上のポイントになります。
1-2. 小売チェーン側の視点
AEONやサイゴンセンター内のスーパーのような小売チェーン側からすると、
- 取引窓口は「輸入商社/ディストリビューター」であることが多い
- 品揃えを決める際には:
- カテゴリ内のポジション(高価格プレミアム/中価格帯/マス向け)
- 回転率(売れ行き)
- マージン・販促条件(プロモーション協力)
などを見ています。
したがって、日本メーカー・商社としては、
- 「どのカテゴリの、どのポジションを狙うか」
- 「現地ディストリビューターとどう組むか」
を事前に整理しておくことが重要です。

2. 日本メーカー・商社が取りうる取引スキーム
2-1. スキームA:日本メーカー+日本商社+現地輸入商社
構図
日本メーカー → 日本商社 → ベトナム輸入商社 → 小売
メリット
- すでにベトナム向け実績を持つ日本商社のネットワーク・ノウハウを活用できる
- 輸出・通関・決済などの実務を日本商社に任せられる
デメリット
- マージンが多段階になりやすく、小売価格が上がりがち
- 小売との距離が遠く、現場の声がメーカーまで届きにくい
向いている企業
- ベトナム現地法人を持たない中小メーカー
- 輸出・通関・在庫管理などを自社で担う余力が少ない場合
2-2. スキームB:日本メーカー+ベトナム現地法人(販売子会社)
構図
日本メーカー → ベトナム現地法人 → 小売・ディストリビューター
メリット
- 小売・ディストリビューターとの関係を自社で直接持てる
- 価格・販促・ブランディングをコントロールしやすい
- 早いフィードバックループを作りやすい
デメリット
- 法人設立・人件費・オフィス等の固定コストがかかる
- 現地で営業・マーケティング人材を採用・育成する必要がある
向いている企業
- すでに一定の海外売上があり、中長期的にベトナム市場にコミットできる企業
- ブランドコントロールや中長期的な成長を重視するメーカー
2-3. スキームC:日本メーカー+ベトナム輸入商社(直接)
構図
日本メーカー → ベトナム輸入商社(ディストリビューター) → 小売
メリット
- 日本側の中間マージンを減らしやすい(直取引)
- 輸入商社のネットワークを活かし、広いチャネルに一気に展開できる可能性
デメリット
- パートナー選定を誤ると、在庫・価格・販促のコントロールが難しくなる
- 契約・支払い条件・在庫リスクのコントロールが日本メーカー側の責任になる
向いている企業
- 一部でも海外展開の経験があり、現地パートナーとの交渉・管理に慣れている企業
- ベトナム市場へのコミットはしたいが、直営子会社まではまだ踏み切れない段階

3. 小売価格が決まるまでの流れ(ざっくり構造)
3-1. 原価から店頭価格までのステップ
- メーカー出荷価格(日本側)
- 輸出・輸入コスト(物流・通関・関税・各種フィー)
- ベトナム輸入商社のマージン
- サブディストリビューターのマージン(ある場合)
- 小売のマージン
- 店頭販売価格(VAT込み)
カテゴリ・ポジションにもよりますが、日本製品は
- ローカル品の1.5〜3倍程度の価格帯
- 日本の上代価格の1.5倍程度で売られているケースが多い
ため、
- 「なぜそれだけ高いのか」を説明できる価値(品質・安全・ストーリー)
- それでも選ばれるターゲット顧客(所得層・志向)
を明確にしておく必要があります。
3-2. 価格戦略を考える際のチェックポイント
- 競合(ローカル品・韓国・欧州等)との価格差
- ターゲット顧客の可処分所得と購買頻度
- プロモーション(割引・試食・サンプリング)にどれだけ投資できるか
- 長期的に値下げありきで勝負するのか、プレミアムポジションを維持するのか
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4. これからベトナム進出・販路拡大を目指す日本企業が最初の3〜6ヶ月でやるべきこと
ステップ1:自社商品の「ポジション」と「カテゴリー」を決める
- どのカテゴリ(食品/日用品/ベビー/美容など)に属するか
- そのカテゴリの中でどのポジションか(プレミアム/ミドル/マス)
- 競合は誰か(ローカル/他国/他の日系)
まずは「ベトナムの棚の中で、自社商品はどこに並ぶべきか」を明確にするところからです。
ステップ2:現地の商流とキープレーヤーを把握する
- 希望するチャネル(スーパー/専門店/ドラッグストア/ECなど)ごとの
- 主要プレーヤー(小売チェーン・輸入商社・ディストリビューター)
- 参入ハードル(登録・規制・棚代・販促条件など)
を整理します。
ステップ3:ターゲットとアプローチ先を決める
- どのタイプのパートナーを優先するか:
- 総合ディストリビューター
- 特定カテゴリに強い輸入商社
- 特定小売チェーンとの直接取引(現地法人がある場合)
- 日本側・ベトナム側で「誰が、誰にアプローチするか」を決める

5. 社内だけで難しい場合に、外部パートナー・営業代行をどう使うか
5-1. よくある「社内だけでやろうとして止まる」パターン
- 調査レポートは集まるが、パートナー候補へのアプローチが進まない
- 誰にテレコール/メールを送ればよいか、ターゲットリストが作れない
- 英語・ベトナム語での商談・条件交渉に自信が持てない
ベトナムの店頭調査をしても、そこから先の「営業アクション」に繋がらなければ意味がありません。
5-2. 営業代行・現地パートナーの典型的な役割
- ターゲットリスト作成(輸入商社・ディストリビューター・小売チェーン担当者)
- 初回アプローチ(メール/電話/LinkedIn 等)
- アポイント獲得・一次ヒアリング
- 必要に応じて、条件感や取引の進め方のすり合わせ
日本企業側は、
- 商品の強み・条件(価格・MOQ・リードタイムなど)の整理
- サンプル・資料の準備
- 2回目以降の商談・試験導入の検討
に集中することができます。

6. 当社Social Zeroが支援できること(ベトナム販路開拓の文脈で)
御社の状況に応じて、次のような形で支援することが可能です。
- 市場・店頭調査の設計と実査(ホーチミン・ハノイ等)
- カテゴリ別の棚取り状況・価格帯・競合分布の把握
- パートナー候補(輸入商社・ディストリビューター・小売)のリストアップ
- 海外営業代行としてのアポイント獲得・一次ヒアリング
- 日本側チームとの連携による条件整理・中長期戦略の設計
「ベトナムのスーパーに並んでいる日本製品の状況」から一歩進んで、
「自社製品をどうベトナム市場で展開するか」までを一緒に考えていきます。
※関連サービスページ:
ベトナム市場で自社製品の「次の一手」を検討したい方へ
- ホーチミンのスーパーでの日本製品の状況はだいたいイメージできた
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