台湾で会社設立!必要な手続きと成功するためのポイント

台湾で会社設立!必要な手続きと成功のポイント

台湾はその地理的優位性、安定した経済、親日的な文化で、ビジネスの拠点として注目されています。日本企業にとっても海外進出先として有望な地域であり、多くの投資家や起業家が台湾市場に注目しています。本記事では、台湾で会社を設立するための基本的な手順と、台湾特有の事情や注意点について詳しく解説します。

台湾で会社を設立するメリット

台湾の市街地

地理的優位性

台湾はアジアのハブとして、中国や東南アジア各国とのアクセスが非常に良好です。この地理的な特性は、物流や取引において大きなアドバンテージとなります。

法人税率の魅力

台湾の法人税率は最大20%と、他のアジア諸国と比較して競争力があります。例えば、日本の法人税率が約29.74%であるのに対し、台湾は比較的低い税率を維持しており、企業の収益性向上に寄与します。また、特定の業種や地域では追加の税制優遇措置が設けられており、例えばハイテク産業の企業は一定期間税金が減免されるケースもあります。このため、経営コストの削減が期待できます。

親日的な文化

台湾は歴史的な背景もあり、日本企業に対して親和性が高いです。日本語が話せる現地スタッフの雇用も比較的容易で、文化や商習慣の違いによる摩擦が少ないことが特徴です。

IT産業やスタートアップの成長

台湾は半導体や電子機器を中心とした産業で世界的に有名です。さらに、スタートアップ支援プログラムやインフラ整備も進んでおり、新興分野での事業展開にも適しています。

進出形態の詳細

台湾で事業を展開する際には、以下の形態から適切なものを選択して設立準備を進めることになります。

形態特徴どんな企業におすすめか
有限会社少人数で経営。資本金約10万台湾ドルから設立可能。中小規模企業向け。
株式会社株式発行可能。大規模な事業展開に対応。大規模事業向け。
支店日本法人の延長として設立。初期コストを抑えたい場合に適切。小規模展開向け。
代表事務所市場調査や情報収集目的。営業活動不可。進出初期に適用。

有限会社

少人数で経営を行う場合に適した形態です。資本金要件が比較的低く、例えば、約10万台湾ドル(約45万円)程度から設立が可能です。設立手続きも比較的簡単です。基本的には設立は以下のような流れで行います。

基本的な設立の流れ
  1. 会社名登録、定款の作成
  2. 銀行口座の開設後、資本金を払い込み
  3. 台湾経済部商業司への登記

これらの手続きは通常数週間で完了します。有限会社は、中小規模の企業に特に適しています。

株式会社

大規模な事業展開を考えている場合に適した形態です。株式発行による資金調達が可能で、より多くの投資家を募ることができます。株式会社の設立は以下の手順で進めます。

基本的な設立の流れ
  1. 会社名登録、定款の作成
  2. 法人銀行口座の開設後、資本金を払い込み
  3. 台湾経済部商業司への申請と登記
  4. 税務登録と必要な許認可の取得

これらのステップは数週間から数か月かかる場合がありますが、完成後は本格的な事業活動が可能です。

支店(金融等の特定事業者向け)

既存の日本法人の延長として設立します。現地法人の設立と比べて手続きが簡素で、初期コストを抑えられますが、台湾内での独立した経営活動には制約があります。支店設立の具体的な手順は以下の通りです。

基本的な設立の流れ
  1. 支店名の登録
  2. 法人銀行口座の開設後、資本金を払い込み
  3. 台湾経済部商業司への申請と登記
  4. 税務登録と必要な許認可の取得

支店は本社の一部として活動し、独自の法人格を持たないため、台湾国内での営業には一定の制約があります。

駐在員事務所

市場調査や情報収集を目的とした形態で、営業活動は行えません。台湾進出の初期段階で利用されることが多いです。駐在員事務所の設立手順は以下の通りです。

基本的な設立の流れ
  1. 駐在員事務所名の登録
  2. 台湾経済部商業司への申請
  3. 法人銀行口座の開設(運用費用の管理用)
  4. 税務登録

営業活動を行えない駐在員事務所では、資本金の送金や認可手続きなど、営業活動に付随する手続きは省略されます。

設立プロセス

続いて、有限会社や株式会社などの、現地法人を設立する際の具体的なプロセスをご紹介します。
支店や代表事務所については、異なる手続きが適用される場合があります。

台湾での会社設立プロセス

STEP 1: 会社名と営業項目の仮登録

会社設立を進めるにあたり、最初に行うのは会社名の登録と営業項目の仮登録です。候補名を3~5個用意し、同名の会社がないか確認する予備審査を受けます。同時に、日本での定款に該当する営業項目を選定し、特定の規制業種(例: 医療器具や金融サービスなど)の場合は追加審査が必要です。この段階で、基本的な事業概要が確定します。

STEP 2: 外国人投資許可申請(FIA)

外国法人や外国人取締役であっても、台湾では100%外国資本の法人設立が可能です。FIA申請では、必要書類として資本金計画、定款、そして株主や取締役の身元証明を提出します。この手続きにより、台湾内での法人格が正式に認められます。

STEP 3: 資本金送金用口座の開設

法人設立の準備段階で、銀行に「準備室」名義の口座を開設します。代表者が実際に台湾を訪れ、印鑑または署名で手続きを行います。この口座は後の資本金送金に使用されます。

STEP 4: 資本金送金と審査

政府の承認を受けた後、指定された銀行口座に資本金を送金します。この送金は設立の重要なステップであり、銀行と政府の両方から資金の合法性が確認されます。着金後、銀行の証明書を受け取り、次の段階へ進みます。

STEP 5: 登記申請と統一編號の取得

定款や資本金証明を含む必要書類を経済部商業司に提出します。ここで審査が完了すると、台湾での法人番号である「統一編號」が発行され、正式な法人格が付与されます。

STEP 6: 国税局面談と税務登録

法人格を取得した後、国税局での面談を実施します。この面談では、代表者が自社の事業内容を簡単に説明し、営業用請求書である「発票」を購入します。同時にVAT(付加価値税)登録も行い、営業活動を開始できる状態にします。

STEP 7: 就労ビザと居留証の申請

法人設立後は、外国人スタッフの就労ビザ申請が可能になります。資本金や年間売上高に応じて申請条件が異なるため、専門家の助言を得ることが推奨されます。

STEP 8: 英文名称および貿易資格の申請

必要に応じて英文名称を登録し、輸出入業務を行う場合は貿易資格を申請します。この資格は、台湾市場を越えた国際取引を行う上で重要です。

費用の内訳

台湾での会社設立の費用内訳

初期費用

  • 登記費用: 約10万台湾ドル(約45万円)程度。
  • 資本金: 規模に応じて設定可能(例: 中小企業の場合は50万台湾ドル以上が一般的)。
  • 法律・行政サポート費用: 専門家のサポートを受ける場合、5万〜15万台湾ドル程度。

運営費用

  • オフィス賃料: 台北市内の場合、月額5万〜10万台湾ドル程度。
  • 従業員給与: ジュニア層(18万~20万円/月)、ミドル層(25~35万円/月)、シニア層(30万~50万円月)程度。業種等により変動します。
    人件費は上昇傾向にあり、外国企業(日本企業等)が現地で優秀な人材を採用しようとすると人件費は日本と同等水準を見込む必要があります。
  • その他: 光熱費、通信費、社会保険料など。

注意点と成功のポイント

台湾での会社設立の注意点とポイント

言語と文化

台湾語または中国語での対応が必須となる場面が多いため、信頼できる現地スタッフやパートナーを確保しましょう。また、台湾ではビジネス関係でも信頼関係の構築が重要で、面会や直接のコミュニケーションを重視します。

法律と規制

台湾特有の法律や規制については、弁護士や行政書士のサポートを受けることでリスクを軽減できます。特に、特殊業種に関する規制や外国人の就労ビザ要件については事前に確認が必要です。

ネットワーキングとコミュニティ

台湾では、商工会議所や業界団体、現地のビジネスイベントに参加することが有効です。これにより、ビジネスパートナーや市場情報のネットワークを構築しやすくなります。

市場慣習の理解

台湾市場では、価格交渉が一般的であり、柔軟な対応が求められることがあります。また、台湾特有の商習慣やマナーについて事前に理解しておくことで、取引先との関係を円滑に進めることができます。

人気業種と進出地域

台湾で人気のある業種には、IT、ハイテク製造、サービス業が含まれます。また、台北を中心とした北部エリアは特に商業活動が活発で、進出初期に適した地域といえます。

まとめ

台湾での会社設立は、地理的優位性や安定したビジネス環境を活かす絶好の機会です。進出形態や設立プロセスを理解し、計画的に準備を進めることで、成功への道が開けます。本記事の内容を参考に、台湾でのビジネス展開を検討してみてください。

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