2026年4月10日~17日の期間で、ベトナムのホーチミン市内の主要デパート(AEONモールと高島屋がアンカーテナントとして入居する、ホーチミンの最も格式あるデパートであるサイゴンセンター)のスーパーマーケットに並ぶ、日本製品の品ぞろえから価格までを、当社で店頭調査してきました。
過去10年以上に渡りベトナム市場に携わる中で、当時は日本製品は日本人街のレタントンエリアやイオンモール位しか販売されていなかったものの、ベトナムの日本食ブームや経済発展もあり、現地の様々な小売店で日本製品を見かけるようになりました。
これは、日本企業にとってもベトナム市場参入のチャンスであると同時に、どの様な製品が受け入れられていて、小売価格はいくらで販売されているのかを把握し、ベトナム進出・販路開拓の為の参考にして頂ければ幸いです。

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ベトナム小売市場と主要プレイヤー企業
ベトナムの小売・サービス市場は近年急拡大しており、政府系データをベースに見ると、2024年は約2,520億USD(約40.32兆円)、2025年は推計で約2,700〜3,100億USD(約43.2~49.6兆円)規模と報告されています。
その中での小売業の主要プレイヤーは、国内大手が中心。
代表的な企業では、
- WinCommerce(VinMart系)
- Bách Hóa Xanh(Mobile Worldグループ)
- Saigon Co.op(Co.opmart系)
- Puregold系に相当する地場チェーン
- FPT Retail
- Lotte(韓国系大手)
- Aeon(日系大手)
など、大手数社の店舗網拡大競争が市場を牽引しています。

ベトナム小売市場におけるモダントレードの浸透度
ベトナムの小売市場における伝統市場・小規模店(トラディショナルトレード)が依然多い中で、モダントレード(スーパーマーケット、ハイパーマーケット、コンビニ、チェーン系小売)の比率は拡大トレンドです。
最新の調査・分析では、モダントレードが全体で20%台後半に達する見積りがあり、特に都市部での伸びが著しいとされています。国内チェーンの積極出店により、モダントレードの割合はさらに上昇する見込みです。
ベトナムの比率を日本や多国と比較すると、
- ベトナム:トラディショナルトレード(約26~29%)、モダントレード(約60~62%以上)
- 日本: トラディショナルトレード(約数%)、モダントレード(約90%以上)
- タイ:トラディショナルトレード(約30%以上)、モダントレード(約70%)
これらの国と比較すると、国の発展が進むほどトラディショナルトレードが減少し、モダントレードが増加していく事が分かります。
特にASEAN諸国の中でも、地方の発展が進んでいるタイやマレーシア等は近代化エリアが広がり、ベトナムにおいても地方の開発が急激に進んでいる為、今後も経済発展にともない地方のモダントレードの割合が増加する見込みです。
首都のハノイや最大都市ホーチミン市内では、家賃の高騰や小売の出店場所の課題もあり、近年は内陸や地方都市(Tier2/3)・農村部への展開が成長余地として注目されています。

ベトナムAEONモールの日本製品(1)
ベトナムで出店攻勢を続けるAEONモールのスーパーマーケットに並ぶ日本製品は、我々日本人に馴染みが深い商品が多く、品ぞろえが豊富にあります。
それら日本製品の価格帯を見ていきます。
- TOPVALU(PB製品)/ そば・そうめん・うどん:75,000VND(約450円)
- TOPVALU(PB製品)/ めんつゆ:65,000VND(約390円)
- TOPVALU(PB製品)/ かつお節:55,000VND~120,000VND(約330~720円)
- YAMAMORI / たこ焼きお好み焼き粉:65,000VND(約390円)
- S&B / カレー粉:119,000VND(約714円)
- S&B / カレー粉:69,000VND(約414円)
- HOUSE FOODS / カレー粉:79,000VND(約474円)
- ぱくぱく / 十六穀米:145,000VND(約870円)
- MIZKAN / ごま豆乳鍋の元:99,000VND(約594円)
- HOUSE FOODS / からし:45,000VND(約270円)
- HOUSE FOODS /わさび:29,000VND(約174円)
- S&B / わさび:49,000VND(約294円)
- 資生堂 / SENKA Perfect Whip:89,000VND~120,000VND(約534~720円)
- 資生堂 / SENKA ALL Clear Water:165,000VND(約990円)

ベトナムAEONモールの日本製品(2)
- おたふく/ 寿司ソース:145,000VND(約870円)
- YAMAMORI / 照り焼きたれ:45,000VND(約270円)
- YAMAMORI / たこ焼きソース:54,000VND(約324円)
- YAMAMORI / めんつゆ:89,000VND(約534円)
- エバラ / 焼鳥のたれ:99,000VND(約594円)
- ベル食品 / カルビたれ・やきにくたれ:99,000VND(約594円)
- ミツカン / 味ポン:99,000VND(約594円)
- キッコーマン / 減塩醤油:169,000VND(約1,014円)
- 廣記商行 / 味覇:539,000VND(約3,234円)
- シマヤ / だし類:49,000VND~55,000VND(約294~330円)
- 丸美屋 / 混ぜ込みわかめ・若菜:27,000VND(約162円)
- 丸美屋 / のりたま:65,000VND(約390円)
- カルビー / フルグラ:199,000VND~249,000VND(約1,194~1,494円)
- まると / 長崎かすてら:159,000VND(約954円)
- DHC / サプリ類:85,000VND~120,000VND(約510~720円)
- DHC / コラーゲンビューティー7000+:850,000VND(約5,100円)
- 花王 / Biore UV類:159,000VND~191,400VND(約954~1,146円)
- ロート製薬 / SkinAqua類:99,000VND~235,000VND(約594~1,410円)

ベトナムAEONモールに出店している日本企業(一部)
ベトナムのAEONモールには、無印良品やOWNDAYS、すき屋、コーナン商事等の日本企業が出店しています。

ベトナムのサイゴンセンターの日本製品(1)
ベトナムを代表するショッピングモールと言えるサイゴンセンターでは高島屋がアンカーテナントとして入居しており、常に多くの人が行き来する高級ショッピングモールとなります。
ここには地下に「ANNAM GOURMET MARKET」という高級スーパーマーケットが入居しており、多くの輸入食品を取り扱っており、店舗のある地下フロアには、日本企業の店舗がいくつか出店しています。
- 日本製粉 / そうめん・うどん:52,000VND(約312円)
- おやま / うどん:105,000VND(約630円)
- おやま / そば:62,000VND(約372円)
- 赤城食品 / 赤城上州うどん・きしめん:70,000VND(約420円)
- 兵庫県手延素麺協同組合 / 揖保乃糸:170,000VND(約1,020円)
- ヤマキ / めんつゆ:135,000VND(約810円)
- ミツカン / 味ポン:165,000VND(約990円)
- 永谷園 / あさげ・ひるげ・ゆうげ:137,000VND(約822円)
- 中島水産 / 巻きもの寿司パック:45,000VND~65,000VND(約270~390円)
- 中島水産 / にぎり寿司パック:99,000VND~209,000VND(約594~1,254円)

ベトナムのサイゴンセンターの日本製品(2)
- サントリー / 山崎18年:31,500,000VND(約186,000円)
- サントリー / 響:3,850,000VND(約23,100円)
- サントリー / 響21年:37,900,000VND(約227,400円)
- サントリー / 白州:4,200,000VND(約25,200円)
- サントリー / 梅酒ウイスキーブレンド:1,850,000VND(約11,100円)
- 一蘭 / 博多ラーメン:285,000VND~630,000VND(約1,710~3,780円)
- フジッコ / 塩昆布:75,000VND(約450円)
- フジッコ / 芽ひじき:85,000VND(約510円)
- フジッコ / わかめ:110,000VND(約660円)
- 山壽杉本商店 / 抹茶入玄米茶:200,000VND(約1,200円)
- 嵯峨野匠庵 / トマトケチャップ:138,000VND(約828円)

ベトナムのサイゴンセンターに出店している日本企業(一部)
ベトナムのサイゴンセンターには、中島水産、ABC-Mart、OWNDAYS、山崎パン、その他複数の日本企業の店舗が出店しています。
ベトナム・ホーチミンのスーパー市場と日本ブランドの位置づけ
- ベトナム市場での日本食品・日本メーカーの評価イメージ
- 「高品質・安全・信頼」イメージ
- 韓国ブランドと比較すると書く小売店では、棚は韓国製品の方がラインナップは多く、価格も日本製品より安価に販売されているケースが多い。
ベトナムの小売市場の成長率や市場規模、小売店の日本製品ラインナップを見ると、まだまだ日本製品のニーズは高く、日本にあってベトナムに無いものも多い為、今後の展開の余地は非常に可能性が高いと思われます。
一方で、日本製品なら何でも売れるわけではなく、例えば同じ棚で隣の韓国製と比較すると消費者目線では価格が安い方が手に取りやすく、ただ日本製で高品質というだけでは差別化要因として足りない為、ニッチで競合と被らず地場企業や韓国製では真似しづらい製品等は、参入余地も高く現地バイヤーも求めている製品群と言えます。
ベトナム進出を検討する日本メーカーへの示唆
1, 価格帯のポジショニングを早い段階で決める
- ローカル品の「1.5〜3倍」の価格帯であっても、「日本ブランド=安心・高品質・美味しい」として受け入れられているカテゴリ(コスメ・調味料・生鮮食品など)が存在します。
- 一方で、ローカルや韓国ブランドが既に強く、「日本ブランドだから」という理由だけではプレミアム価格を維持しづらいゾーンもあります。
→ 自社商品が「ローカルの数倍でも売れるプレミアム帯」なのか、「ミドル帯で量を取りに行くべきか」を、自社製品のポジションを把握し、カテゴリごとに切り分けておくことが重要です。
2, チャネル別の役割を前提に設計する
- イオン:マス〜ミドル向けの“日常使い”が中心。広い客層に触れてもらう場として有効。
- 高島屋・サイゴンセンター:富裕層・駐在員・観光客が多く、ブランドイメージを高める“ショーケース”としての色が強い。
→ 「最初はイオンでボリュームゾーンを押さえつつ、一部SKUを高島屋でプレミアム展開する」といった、チャネルごとの役割分担を前提にした設計が現実的です。
3, “日本そのまま”ではなく、ベトナム仕様への調整が場合によっては必要
- パッケージサイズ(家族構成・所得水準に合わせた容量・価格)
- 味・香り・テクスチャー(辛さ・甘さ・香料の強さなど)
- 表示・ラベリング(ベトナム語表記、アレルゲン表示、使い方の説明)
これらを現地の消費者・バイヤーの声に基づいて調整することで、「日本ブランドの良さを残しつつ、ベトナム市場にフィットさせる」ことができます。
4, 販路開拓は“現地バイヤー視点”で組み立てる
- ベトナムの小売は、
- ローカル大手(WinCommerce、Co.opmart 等)
- 外資系(Aeon、高島屋 等)
- ディストリビューター
の力関係や役割が日本と大きく異なります。
→ それぞれの決裁プロセス・求める条件(マージン・プロモーション負担・棚割り等)を理解したうえで、
- どの順番で誰に会うか
- どのSKUから提案するか
を決める必要があります。
5, 最初の一歩は「現地調査+テスト販売+営業代行」の組み合わせが効く
- 今回のような店頭価格・品揃えの現地調査で、「どの棚で、誰と戦うのか」をクリアにする
- そのうえで、
- 小ロットでのテスト販売
- バイヤー・ディストリビューター向けのピンポイント提案
を通じて、現地での“勝ち筋”を見つけていくのが、リスクの低い進め方です。
当社Social Zeroでは、
- ベトナム小売・ECの現地調査
- PB・NB商品のFS・価格戦略の整理
- 小売バイヤー・ディストリビューター向けの営業代行(トップセールス)
まで一連で支援しています。
「自社商品のベトナムでの立ち位置を具体的に知りたい」「どの価格帯・チャネルから入るべきか整理したい」といった段階からでも、ご相談いただけます。
ベトナム進出の検討・見直し(FS、市場調査、店舗展開、人材・組織、拠点再設計)に関するご相談はこちら



