海外営業代行の流れとスケジュール実例|どんな企業が活用すべきか

これまで当社にお問い合わせを頂いた、自社製品やサービスの海外販路開拓を検討している企業の代表や国際事業部の責任者等からは、以下の様な共通の課題を聞くことが非常に多いです。

  1. 海外販路開拓をしたいが、社内に適任者がいない。
  2. 既存の海外代理店に任せているが、売上が伸び悩んでおり新規市場の対応も難しい。
  3. 海外営業代行も費用対効果や、良し悪しが分からない。

多くの企業では、いきなり海外営業人材の採用はハードルが高く、仮に採用出来てとしても上手く機能するか分からない等のリスクもある為、海外営業代行サービス等を探す傾向にあります。

そこで、海外営業代行サービスを行う当社では、

  • 実際にどのような流れで海外営業代行をしているのか
  • どのくらいの期間でアポイントメント取得やクロージングまでかかるのか
  • どのような準備や対応が必要となるのか
  • 実際の海外営業の現場での肌感や課題はどこにあるのか
  • どのような企業が海外営業代行サービスを使うと効果が高いのか

このような疑問を実例で解説し、海外営業代行サービス導入への参考にして頂ければ幸いです。


1. 海外営業代行の全体フロー(3〜6カ月のイメージ)

海外営業代行は、ざっくり次のような流れで進みます。

  1. 役割とターゲットの定義
    • 依頼企業と当社で、誰がどこまでを請け負うのか、営業先のターゲットをどこにするのか、これらを明確化します。
  2. リストアップ・アプローチ設計
    • ここからは当社の作業に入ります。まず、対象国のターゲット企業のリストアップ作業を行い、どのようにアプローチをするか戦略を設計します。
  3. アポ取り・一次接触
    • リストの中から優先順位の高い順に、順次アポイントメント取得のアプローチと実施していきます。
  4. 商談・トップセールス
    • アポイントメント取得が出来たら、対象国の渡航日を決め、商談に備え営業資料等の準備を行い、事前にサービスや製品の学習と商談企業の動向リサーチを行います。
    • 海外での商談は、初回からクロージング前提で行う点が日本とは異なります。その為、当社でも初回からクロージングできるだけの情報とコミュニケーションスタイルを取り、商談を行います。
  5. フォロー・案件化支援
    • クロージングが出来た企業は、その後の契約や取引の準備を早急におこないます。
    • ※ここで重要な事が、国際取引に慣れていない企業は英文契約書や国際送受金等は事前に準備を行い、クロージング後は早急にサービス挿入or納品が行える準備をしておく必要があります。ここで時間がかかると、クロージングしても離脱する企業が増え、この点が日本企業の承認フローや意思決定スピードの課題がもろに影響を及ぼす点となります。
  6. レポーティング・次ステップ設計
    • この様な毎月の海外営業の実施内容等を当社より月次のレポーティングを行い、次回の改善点や戦略について依頼企業担当者と協議し、次回に備えます。

この期間は商材やスコープによりますが、
最初の成果が見え始めるのは概ね3〜6カ月程度が目安です。


2. Step1:役割とターゲットの定義(1カ月目)

何を決めるフェーズか?

まず最初に決めるのは、

  • どの国・地域をターゲットにするか
  • どんな相手(業界・企業規模・部署・役職)にアプローチするか
  • どの商品・サービスを軸にして売るのか
  • どのレベルまで成果を狙うのか(アポ数/商談数/クロージング数など)
  • 営業代行側と依頼企業での役割の範疇について

という「営業活動の設計図」です。

国際事業部の担当者と一緒にやる内容

  • 既存顧客・過去の問い合わせの棚卸し
  • 既に社内にある想定ターゲットリストや候補国の確認
  • 社内資料(カタログ・提案書・事例・契約書等)の英語対応状況の確認
  • 契約の諸条件取り決め(価格やMOQ、取引スケジュール等)
  • 3〜6カ月後に「成功」と言える状態のイメージ共有

ここで設計が曖昧だと、「何となく広く薄くやって終わる」営業代行になってしまいます。

特に目的を明確化して、海外営業活動の具体的なアクションプランに落とし込みます。

例として、複数の市場をターゲットとする場合には、市場ごとの特性が異なる為、初年度はマーケティング目的で広く浅くで各市場の傾向や営業活動での反応を見て、自社製品やサービスの改善を行いつつ、営業確度を高めていく事が理想的となります。


3. Step2:リストアップ・アプローチ設計(0.5〜1.5カ月目)

具体的にやること

  • ターゲット国・業界の企業リストアップ
    • 依頼企業・営業代行側既存ネットワーク/展示会出展リスト/小売であれば現地GoogleMapでの抽出 等
  • 決裁に影響するポジション・役職の特定
    • 例:
      • 小売:バイヤー/マーケティングマネージャー/代表者
      • BtoB:技術・調達・事業開発責任者
  • アプローチチャネルの選定
    • メール/LinkedIn/紹介/電話など
  • メッセージ・提案フックの整理
    • 「何をきっかけに話を聞いてもらえるか」を決める
    • *相手側のメリットを明確化

ここでのアウトプット

  • 優先度付きターゲットリスト(国や地域毎、ランキングA/B/Cなど)
  • 英語・現地語の初回アプローチ文(メールテンプレート案)
  • 営業代行側と依頼企業の役割分担(誰がどこで出るか)

4. Step3:アポ取り・一次接触(1カ月目~継続)

アポ取りの方法

  • 企業問い合わせ+メール+LinkedInなどオンラインチャネルを軸に、
    • 優先ターゲットに対して個別メッセージでアプローチ
    • 既存接点がある場合は、その関係を活かして紹介を依頼
    • ※海外企業はメールや会社HPの問い合わせの通知を見ていない事も多く、当社では現地から荷電を実施してアポイントメント取得をする事が多いです。
  • 展示会・業界イベントがある場合は、
    • その前後でアポイントを集中して入れる
    • イベント会場での対面とオンラインフォローを組み合わせる

スケジュール感

  • 1カ月目:
    • 接触数を増やしつつ、「どのメッセージに反応があるか」を検証
  • 2〜3カ月目:
    • 反応率の高いパターンに絞り込んで量を打つ
    • 月数件〜十数件レベルの商談アポが見え始める

※商材・業界によって反応速度は変わりますが、「1カ月で大量受注」ではなく、「3〜6カ月で有望リードを蓄積する」イメージです。

実例として、海外営業をゼロベースでリストを作成してからアプローチを行う場合のアポの取得率は、概ね10~15%となります。「例:リスト100件→アポイントメント10~15件」


5. Step4:商談・トップセールス(2〜6カ月目)

誰が商談に出るのか?

  • 初回オンラインor対面商談「パターンA」
    • 海外営業代行側の担当(英語でのファシリテーション)
    • 御社側の担当(技術/事業/決裁権保持者)が同席するパターンか
  • 初回オンラインor対面商談「パターンB」
    • 海外営業代行側の担当あ全てを担当するパターンになります

商談でやることは?

  • 先方のニーズ・現状・条件のヒアリング
  • 御社のソリューション・事例紹介
  • どのレベルから試せるか(PoC/限定導入など)の提案
  • 次のステップ(テスト導入 or 追加検討 or 見送り)の合意
  • 契約や製品発送等の事務的な対応のすり合わせ

当社で重要視している海外営業代行の役割は、

  • クロージングを目的としたコミュニケーション設計と商談先の企業の担当者との関係性の構築です。

※当社の経験上、説明が難しいITサービスや特殊な商材でない限りは、クロージング確率を上げる為に、当社側で全てを担当する事を推奨しています。

・理由として、依頼企業様の担当者で海外での商談に慣れているケースは非常に稀で、言語の問題もあり、一方的に自社製品や会社説明をしてしまう傾向が強く、コミュニケーションの観点から良い結果に繋がらない事を何度も経験してます。

・従いまして、海外の商談に精通した当社側で商談企業との関係値の構築もしがら、海外営業コミュニケーションをとって商談を進める方が、クロージング確度は圧倒的に高くなるため、基本的には当社にお任せいただいております。


6. Step5:フォロー・案件化支援(3〜6カ月目〜)

フォローのポイント

  • 商談後のフォローメール・追加資料送付
  • 先方社内での説明・稟議のサポート(必要に応じて資料づくりも)
  • 条件調整(価格・納期・サポート範囲 など)

ここで動きが止まると、せっかくのリードが「検討中のまま消えていく」ので、
海外営業代行側が、

  • いつ誰に何を投げたか
  • 相手の反応はどうか
    をトラッキングしながら、御社側と共有します。
    • 例):ABC-Viet社(ベトナム) / 2026年5月1日に初回商談 / 製品導入に興味あり / カタログと価格表の送付 / 6月中に2回目の商談実施してサンプル製品を見せる

海外企業の担当者はメールをあまり使わない事も多く、当社ではコミュニケーションのしやすさから、国の特性に合わせて、WhatsApp/ZALO/Viber/Facebook Messenger等を使いながら個別に各企業の担当者とやり取りをしています。

案件化した後

  • 最初の導入(PoC・テスト販売)の立ち上げ
  • 成果をもとにした拡大提案
    は、御社側と海外営業代行で役割分担しながら進めます。

※関連記事:「海外展示会・商談会から確実に案件化する方法」は以下に解説しています。↓


7. レポーティングと「やめる/続ける」の判断

レポート内容(例)

  • 月次〜四半期ごとの
    • 接触数
    • アポ数
    • 商談数
    • 案件化数/受注金額
      のサマリー
  • 反応が良かったセグメント・メッセージ
  • 想定と違った点(価格帯/要求条件/競合状況等)

判断のタイミング

  • 3カ月時点:
    • 「ターゲット/メッセージ/チャネルの妥当性/資料やカタログと価格表の内容」を見直す
  • 6カ月前後:
    • 「継続すれば成果が積めそうか」「市場やターゲット・販売方法を変えるべきか」を経営として判断

8. 海外営業の成功ポイント

海外営業は日本の営業とは、やり方が違います。

通訳を付けて日本と同様の営業スタイルをとっても多くの場合、良い結果には結びつかない事が多く、基本的な海外のコミュニケーションスタイルや商習慣を理解して商談を行う必要があります。

ポイント1:スピード「※最も重要」

当社の海外営業代行サービスを提供してきて最も重要と感じる点が、スピードです。

実例として、当社側で商談時にクロージングが出来て、その後依頼企業側に製品カタログ・価格表・契約書等を依頼しても、社内承認や準備に何カ月もかかり、その間に商談先の担当者の意識が薄れてそのまま流れてしまってケースが何度もあります。

これは最も避けるべき海外営業における日本企業の典型的な失敗事例です。

  • 初回の商談から最終的な決済・納品までのスピード
    • 依頼企業側で即納できる仕組みを整えておく必要がある
    • 製品カタログと価格表の準備
    • 社内決裁・意思決定スピードの改善
    • 国際送受金の仕組み構築
    • 国際契約書の準備

このあたりを、事前に想定して準備をしてから営業活動を行わないと、クロージングしても意味がない事になってしまいます。

ポイント2:意思決定とコミュニケーション

海外では、国ごとに商習慣や意思決定、コミュニケーションスタイルにカルチャーギャップがあります。

その国ごとの特性を理解して商談を行うか、日本の商習慣やコミュニケーションスタイルをそのまま持ち込むかで営業成果は全く変わってきます

当社でもこれまで、初めて海外企業と商談する企業の商談同席の場で、日本企業の一方通行のコミュニケーションで相手側が聞き飽きてしまっている場面に何度も出くわしています。

また、海外企業は「初回商談=契約・クロージング」までを見込んで商談を行います。日本企業は、「初回商談=情報収集・反応を見る」という意識が強く、準備不足or目線が合わないケースも多く、このような事から海外企業から日本企業との商談を敬遠されている傾向も昨今多く出てきています。

実例として、シンガポールやマレーシア、タイ等のASEAN諸国でも先進国の国々では、日本の自治体等が主催する現地企業商談会事業でも、現地企業が日本企業との商談会への出席を見送るケースが多く、これらは海外企業側からすると「商談しても意味がない、なぜなら具体的な取引にならないから」と思われている事からこのような状況となっています。

このような事情もあり、当社ではクロージングまでを当社が一貫して請け負う事を推奨しています。

※関連記事:「海外営業代行サービスで成果が出ない本当の理由」は以下に解説しています。↓


9. 海外営業代行を活用すべき企業の条件

全ての企業に海外営業代行が向いているわけではありません。
当社の経験上、特にフィットしやすいのは次のような企業です。

条件1:国内では一定の実績・競争力がある

  • プロダクトやサービス自体の力はある
  • すでに国内での導入実績・顧客事例がある
  • 「海外に持ち出す価値がある」と社内でも認識されている

逆に、プロダクトそのものがまだ固まっていない段階では、
営業代行よりも市場調査・FSの方が向いています。

条件2:海外向けの最低限の「顔」が用意できる

  • 英語(または現地語)の会社概要・資料がある(または用意できる)
  • 海外での販売価格や契約条件の方針を社内で決められる(または当社の様な外部に依頼対応)
  • 海外企業との取引について社内で承認がとれてる(または取れる状況)

営業代行は「代わりにすべて決めてくれる」わけではなく、
御社の製品やサービスの価値を海外に伝える役割なので、社内準備等の最低限の準備は必要です。

条件3:海外展開に経営としてコミットする意思がある

  • 3〜6カ月単位で終わりではなく、中長期的に海外売上を育てたい
  • 必要であれば組織・体制も変えていく覚悟がある
  • 試行錯誤の結果を受け止める「余白」がある

「1〜2カ月で結果だけ欲しい」「すぐに売り上げが上がらないならやりたくない」という前提だと、海外営業代行の価値は出しづらくなります。


10. Social Zeroの海外営業代行の特徴(中堅〜大企業向け)

当社の海外営業代行は、

  • 代表自らがASEAN各国を回るトップセールス型
  • FS・市場調査〜パートナー選定〜営業代行〜拠点設立までカバーする一気通貫モデル

という点が特徴です。

この当社独自で最大の強みのトップセールスは、「成果を出す」事を最も重要視した当社の特徴であり、現地の委託人材での営業で成果が出るケースは稀です。

実際に当社で海外営業代行サービスを請け負う、国内最大手の小売り関連企業のPB製品ASEAN諸国トップセールスでは、依頼企業の日本国内の営業と比較して2倍の成約・クロージング率を出しており、成果として「開始6ヶ月目の2026年5月現時点で、4カ国への製品導入」に繋がっています。

こういう企業に向いています

  • 海外展開が遅れており、まずはASEANから一歩踏み出したい中堅〜大企業
  • 代理店・ディストリビューター任せでは限界を感じている
  • 国際事業部があるが、人手も時間も足りない
  • 将来的には自社の現地営業チームを持ちたいが、最初の数年は外部と組みたい

まとめ:海外営業代行は「営業を丸投げするもの」ではなく「一緒に前線に出るパートナー」

  • 海外営業代行の実態は、
    • スコープ・ターゲット設計
    • リストアップ・アプローチ
    • アポ取り・商談化
    • フォロー・案件化支援
    • レポーティング・次の一手の提案
      という一連の営業プロセスを、御社と一緒に回すこにあります。
  • 特に、中堅〜大企業で海外展開が遅れている企業にとっては、
    • 「最初の3〜6カ月でどこまで地ならしができるか」
      を左右する重要なレバーになり得ます。

「海外展開を本気で始めたいが、最初の一歩をどう踏み出すか分からない」
「国際事業部のリソースだけでは、前線まで行ききれない」

という状況であれば、
海外営業代行を丸投げ先ではなく、“現場に一緒に出るパートナー”として検討してみてください。


海外営業代行の導入・スコープ設計に関するご相談はこちら

御社の事業内容・海外展開の現状・社内体制を伺ったうえで、
どの国・どのフェーズから営業代行を入れるべきか、具体的な案をご提案します。

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