「海外市場調査をやりたい」「フィージビリティスタディをお願いしたい」と社内で決まった瞬間、
担当者が最初に悩むのは、たいていこの2つです。
- どこまで調べるのが“ちょうど良い”のか
- そのために、どれくらいの予算を見ておけばいいのか
ところが、海外市場調査・フィージビリティスタディ(以下FS)の費用感は、
ネットを探しても意外と具体的な情報が出てきません。
本記事では、これまで当社が支援してきた
- 海外市場調査・FS案件
の規模感も踏まえながら、
- 海外市場調査・FSの「よくある3つのスコープ」
- スコープ別のざっくりとした費用レンジ
- 大企業様で実際によくある調査パターン
- 予算の決め方と、「このくらいならまず相談してほしいライン」
を、できるだけ具体的に整理します。
※金額レンジはすべて目安であり、調査対象国・対象カテゴリ・サンプル数・スケジュール・調査会社規模などによって変動します。

Contents
まず、「何にお金がかかるのか」を整理しておく
海外市場調査・FSの費用を決めるうえで、
ざっくりこんな要素が効いてきます。
- 調査対象国の数(単国 or 複数国)
- 調査対象カテゴリーの幅(1カテゴリ集中か、複数カテゴリか)
- 定量/定性のバランス(現地調査やインタビューをどれぐらいやるか)
- 現地リクルーティングや調査の難易度(B2BかB2Cか、対象者の役職や対象者数など)
- 期間(短期集中か、数カ月かけるか)
- 最終アウトプットの粒度(経営会議レベルか、オペレーション設計レベルか)
このあたりをざっとイメージしていただいたうえで、
次の「3つのスコープ」のどこに近いかを考えていただくと、予算の当たりがつきやすくなります。

スコープ①:ライトな海外市場調査(デスク+簡易ヒアリング)
内容イメージ
- 公的統計・業界レポート・既存資料の整理
- 競合・チャネル構造の把握
- 例:フィリピンの各ECでのコスメ製品の販売数や購入者層、競合特徴 等
- 数名〜十数名レベルのライトなヒアリング
- 例:現地業界関係者/バイヤー/専門家など
こんな時に向いている
- まだ「本当にその国なのか」を決めきれていない
- まずは経営層に「コンセプトとしてありかどうか」を示したい
- 本格FSの前に、参入可能性の把握や方向性だけ確認したい
費用感(目安)
- 単国:数十万円台後半〜100万円前後
- 例:単体国の特定製品の概要調査(10万円~30万円)
- 例:単体国の特徴製品の各チャネル構造とユーザー調査(30万円~60万円)
- 例:単体国の特徴製品の現地調査“小売店・競合・ユーザーインタビュー”(60万円~100万円)
調査対象が絞れていて、ヒアリング数や対象数も少なめなら、
このレンジで「方向性を決めるための材料」を揃えることは現実的です。
一般的に、市場調査は対象幅と深度でその費用感も変わってきます。
対象数例:フィリピンのコスメ(少)→フィリピンのコスメと家電、日本食品(多)
深度例:コスメの利用者層(浅)→コスメの利用者層と居住エリア、使用方法(深)

スコープ②:単国フルスコープFS(定量+定性)
内容イメージ
- スコープ①の内容に加え、
- ターゲット顧客・小売バイヤー・ディストリビューター・専門家等へのインタビュー
- 規制・税制・ライセンス・オペレーション・法令の整理
- 現地競合や小売店の売り場の把握
- 3〜5年の売上・コスト・損益シミュレーション(ベースライン)
- 事業モデル案・チャネル案レベルまで踏み込んだ提言
こんな時に向いている
- 「ベトナム or フィリピン」など、国はほぼ決まっている
- その国で本当に事業として成立するかどうかを見極めたい
- 経営会議でのGo/条件付きGo/見送り判断の材料が欲しい
費用感(目安)
- 単国:150〜300万円程度
- ターゲットの数(B2B/B2C)
- インタビューのボリューム
- 現地定性調査のボリューム
などによってレンジは変わりますが、
「意思決定に使える海外フィージビリティスタディ」を単国でやるなら、このあたりが現実的なラインです。
当社でも、
- ベトナム単国の小売FS
- フィリピン単国の小売FS
- インドネシア単国の小売FS
は、このレンジ感で実施することが多く、
大企業の海外進出や出店を行う場合は、この規模で対象国の事業性の判断を行う為の
海外市場調査を行う企業が多いです。

スコープ③:複数国比較FS(例:ベトナム+フィリピン+インドネシア)
内容イメージ
- スコープ②の単国FSを縮小版で2〜3カ国分実施
- 共通の指標で比較できるよう、
- 市場規模・成長率
- チャネル構造
- 規制・ライセンス
- 人材・コスト構造
- 日本ブランドや特定製品のポジション
を揃えて評価
- 「どの国から入るべきか」「組み合わせるとしたらどうか」を提言
こんな時に向いている
- 「中国+1」で、ベトナム/フィリピン/インドネシアなど複数候補で迷っている
- 社内の意見が国ごとに分かれており、第三者の観点で整理したい
- 最終的に2〜3カ国セットでポートフォリオを組むことも視野に入れている
- どの国も進出はするが、優先順位を決めたい
費用感(目安)
- 2カ国:300〜500万円程度
- 3カ国:500〜700万円程度
もちろんスコープ設計次第ですが、
「そこそこ厚い単国FS × 2〜3カ国」をやろうとすると、
このレンジ感を見ておくのが現実的な費用感となります。

ざっくりですが、当社でよくあるパターンをイメージとして書くと:
例1:大手小売のPB製品・出店、ベトナム市場単国FS
- マクロ市場調査(対象カテゴリの市場規模・成長率)
- 現地小売チャネル構造・競合マッピング
- 小売バイヤー・ディストリビューター向けヒアリング
- 主要都市圏の店頭・モール・競合店視察
- 各エリアの不動産賃貸リストと契約関連
- 法人設立に関わる外資規制・事業ライセンス・税制・法令リスク・運用フローの整理
- 3〜5年収支のざっくり試算+参入シナリオ案
→ 単国フルスコープFS(150〜300万円レンジ)に近いイメージで、
レポートは150ページ~200ページ位のボリュームとなります。
例2:デジタルサービスのインドネシア市場FS
- インドネシアでの日本ブランドのポジション評価(消費者・バイヤー両面)
- オンライン各チャネルの比重整理(TikTok Store/Lazada/Shopee/Facebook 等)
- 主要競合ブランドのポジショニング・価格レンジ
- フェアトレード関連・販促規制の実務チェック
- 小売・ECでの導入条件(棚取り・マージン・プロモーション負担 等)ヒアリング
- 法人設立に関わる外資規制・事業ライセンス・税制・法令リスク・運用フローの整理
- OSE生産やロジスティックス企業のリストアップ
→ こちらも150〜300万円レンジが多く、
ベトナムとセットで複数国FSとする場合は、
ボリュームを調整しつつ300〜500万円程度の構成になることが多いです。
※参考:当社で実施した大手小売り上場企業様向け、韓国での市場調査・FS事例

予算をどう決めるか:3つの考え方
「いくらかかるか?」と同じくらい大事なのが、
「どこまで投資する価値があるか?」という視点です。
考え方1:想定投資額の◯%をFSに割くイメージ
- 例えば、3〜5年で数億〜数十億円規模の投資を検討している場合、
FS・海外市場調査に 1〜数% 投じるのは十分合理的です。
「数億円の投資を、数十万円の検討だけで決める」のは、冷静に考えると
バランスが悪い、+リスク度数も上がるという話でもあります。
考え方2:経営会議で「GO/NO-GO」を本気でやるかどうか
- FSのアウトプットを経営会議の議題にきちんと載せるのであれば、
レポートとしての説得力・深さも求められます。
その場合、
- スコープ①のようなライト調査ではなく、
- スコープ②〜③レベルのFSを検討すべき
と考えるのが自然です。
考え方3:社内リソースでやれる範囲との線引き
- 自社でできるデスクトップ調査+現地出張はどこまでか
- 言語・ネットワーク・時間・専門性・市場特性の理解の制約から、
「ここから先」は外部に頼んだ方が良いラインはどこか
を整理したうえで、
「社内でできること」と「外部に任せるべきこと」
を分けて考えると、“ちょうど良いFSのサイズ”が見えてきます。

まずは「予算レンジと期待アウトプット」を教えてください
当社にご相談いただく際は、最初からRFP(提案依頼書)が完璧である必要はありません。
- 対象国(例:ベトナム単国/ベトナム+フィリピン 等)
- 想定カテゴリ(PB/日用品/コスメ/食品/ITサービス 等)
- 社内での検討段階(アイデア/役員合意済/来期予算計上済 など)
- 大まかな予算感(◯百万円台前半/中盤〜 等)
- 欲しいアウトプットのイメージ(経営会議資料レベルか、現場設計レベルか)
を教えていただければ、こちらから、
- 実現可能なスコープ案
- 期間感
- 見積レンジ
をご提案することができます。
※関連記事:「海外市場調査で「数字だけ」を見てはいけない理由|定性調査の重要性」は、
こちらの記事で解説しています。

なぜSocial Zeroの市場調査は、大手より高品質で安く提供できるのか
一般的に、「海外市場調査=高い」というイメージがあると思います。
実際、当社のように海外市場調査・フィージビリティスタディを請ける実施する側から見ても、
- 現地パートナーのリクルーティング費用
- 専門家(法務・税務・規制)のフィー
- 通訳・翻訳・移動・現地滞在費
- 調査設計・分析・レポーティングにかかる工数
など、海外での調査には想像以上にコストがかかり、
「やればやるほど利益率が薄くなる」プロジェクトになりがちです。
そのうえで、当社が大手コンサル・大手調査会社よりも、高品質かつ割安な水準で提供できている理由は、大きく3つあります。
1. ASEANを中心に「自前のネットワーク」と「代表自らの現地活動」がある
当社代表は毎月のように、
- ベトナム
- フィリピン
- シンガポール
- タイ
- マレーシア
- インドネシア
当を実際に回り、
- 現地の小売・ディストリビューター・BtoBパートナー
- 業界関係者・専門家
と各プロジェクトで直接会い続けています。
この「生のネットワーク」があることで、
- 対象者リクルートの手数料を二重三重に抜かれずに済む
- 調査設計の段階から、「誰に何を聞けば良いか」が明確に見える
- インタビュー時も、代表自らがトップレベルのヒアリングと解釈を行える
結果として、
同じ予算でも、不要な外注を省いて「聞くべき人に、聞くべきことを、きちんと聞ける」調査設計
になり、コストの割に得られる情報量・質が高くなります。
2. 大手のような“重い固定費構造”を持っていない
大手コンサル・大手調査会社は、
- 多層の組織構造(パートナー/ディレクター/マネージャー/アナリスト 等)
- 大きなオフィス・ブランド維持コスト
を抱えています。
その分、
- プロジェクトに乗る「日当・レート」も高くなりがち
- 若手・中堅メンバーが多数アサインされ、実際の現場ヒアリングは外部に丸投げ
という構造になりやすいのが実情です。
一方でSocial Zeroは、
- 必要最小限の精鋭メンバー+現地個人パートナー(元々、代表と繋がりがある者)
- プロジェクトごとに最適なチームを組む“スモール&フラット”な体制
にしているため、
- 大きな間接費を乗せる必要がない
- 実際に「価値を出す人」が前線に立ちながらも、日系大手よりリーズナブルなレートを実現できています。
同じ品質と内容の市場調査を、当社Social Zeroと大手調査会社とで見積を出すと、凡そ2~3倍ほどの見積差があります。
3. 「調査レポート」ではなく「意思決定に使えるアウトプット」に絞っている
大手の海外市場調査レポートは、
- そもそも調査自体を外部に丸投げして、窓口業務のみを行っている
というケースも少なくありません。
当社は、
- あらかじめクライアント担当者様に「どの会議で、何を決めるために使うか」を聞いたうえで
- 調査スコープとアウトプットの形をそこに合わせて設計します。
その結果、
- 無駄なデータ収集や過剰な装飾にコストをかけずに済む
- 予算の中身を、「本当に必要な対象者へのヒアリング」や「分析・示唆出し」に多く割ける
- 無駄な外注コストの上乗せや、情報の遮断を防げる
ようになります。
不要な外注をする必要がなく、
「表面的な調査」ではない、「経営判断が出来る生きた現地情報」
を出すことにフォーカスしている
からこそ、コンパクトな予算でも質を落とさずに提供できる、というのが当社のスタンスです。

まとめ:海外市場調査・FSの費用は「高いか安いか」ではなく、「何をどこまで決めるためか」で考える
- 海外市場調査・フィージビリティスタディの費用は、
数十万円〜数百万円、複数国FSなら数千万円レベルまで、スコープによって大きく変わります。 - 重要なのは、
「どこまでの不確実性を減らしたいのか」「どんな意思決定に使うのか」
を先に決め、そのために必要な調査の深さと幅を考えることです。 - ベトナム・韓国を含むアジア市場への本格展開を検討するのであれば、
ライト調査だけでなく、定性も含めたFSに一定の予算を割く価値は十分にあります。
海外市場調査・フィージビリティスタディ(ベトナム・韓国など)に関する費用感・スコープ相談はこちら
御社の構想・予算レンジ・社内状況を伺ったうえで、
「このご予算なら、ここまでできます」というリアルな線をご提案します。



