観光庁発表の2026年4-6月期:インバウンド消費動向調査によると、以下の傾向が見えます。
- 訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円(前年同期比+0.2%)
- 消費額上位5か国・地域は[1]米国、[2]台湾、[3]中国、[4]韓国、[5]香港
- 一人当たり旅行支出(消費単価、全目的)は24.4万(前年同期比+3.3%)
日本へのインバウンド需要を個々の企業が取り込むために、今後もFAMトリップ施策の有効性は増していくと考えられます。
Contents
このページでわかること
- FAMトリップ(ファムトリップ)で何にお金がかかるのか(費用構造)
- メディア・インフルエンサーを海外から招聘する際の料金相場(レンジ)
- 予算別のFAMトリップ設計例(小規模〜中規模)
- コスト対効果を高めるためのポイントと、見積もり・契約時の注意点
- Social Zeroが提供するFAMトリップ/メディア招聘支援の概要

1. FAMトリップとは?メディア・インフルエンサー招聘の基本
FAMトリップ(ファムトリップ)は、
メディアやインフルエンサー、旅行会社・バイヤーなどを現地に招き、
実際に見て・体験してもらったうえで、記事やSNS・商品/サービスの取扱いに繋げる施策です。
招聘対象の例:
- 旅行・観光メディア(Web/紙・雑誌/TV番組)
- ブロガー・YouTuber・Instagramer・TikToker 等のインフルエンサー
- 旅行会社/ツアーオペレーター/バイヤー
- BtoB向けの場合は、現地の業界メディア・キープレイヤー など
目的によって、
- BtoC向け:観光・地域プロモーション/ブランド認知
- BtoB向け:産品・サービスの採択/取扱い拡大/バイヤー開拓
といった使い分けがありますが、
いずれも「現地での体験」と「コンテンツ発信」をセットで設計するのがポイントです。
◆ 参考記事:FAMトリップ(ファムトリップ)とは?成功のポイントを解説

2. FAMトリップの費用構造(何にお金がかかるのか)
FAMトリップで発生する主な費用項目は、次のとおりです。
2-1. 航空券・現地交通費
- 招聘元(例:ASEAN諸国)から日本/目的地までの往復航空券
- 現地移動(送迎バス・専用車・公共交通機関など)
LCCかフルサービスキャリアか、エコノミークラスかビジネスクラスかによって単価は大きく変動します。
2-2. 宿泊費
- ホテル/旅館/ゲストハウス等の宿泊費
- インフルエンサー・メディアのランクによって、
ビジネス〜ラグジュアリーまでグレードを調整します。
2-3. 飲食・体験コンテンツ費用
- 食事(朝食・昼食・夕食)
- 観光・体験コンテンツ(アクティビティ・イベント・施設見学など)
- 取材先の受け入れにかかる費用(入場料・体験料 等)
2-4. コーディネート費用
- 企画・コース設計・スケジュール調整
- 現地での運営・アテンド
- 通訳・ガイド・撮影サポート
- レポート作成・報告会 等
ここは外部パートナーへの委託費(プロジェクトフィー)に相当します。
2-5. メディア・インフルエンサーの制作/出演フィー
- 記事制作・動画制作・SNS投稿のフィー
- チャンネルやフォロワー規模、コンテンツ本数によって変動します。
「旅費・宿泊は提供するのでギャラはゼロ」というケースもありますが、
クオリティと確実なアウトプットを求める場合は、フィーを設計したほうが安定します。
基本的にノーギャラでは、大半のインフルエンサーの招聘は出来ません。
2-6. コンテンツの二次利用料
- 撮影した写真・動画を、自社サイト・SNS・営業資料で使う場合の利用料
- メディア記事の転載・引用・広告素材への転用 など
権利まわりを事前に取り決めておくことで、
「実施後も長く使える資産」としてのROIを高められます。
◆ 参考記事:インフルエンサーを起用するFAMトリップの海外成功事例から学ぶべき事

3. FAMトリップの料金相場(レンジでイメージ)
正確な金額は案件ごとのお見積もりになりますが、
ここでは目安レンジとしてイメージしやすいように整理します。
3-1. 小規模(1〜3名・1〜2泊)の場合
例)ASEAN・東南アジアのインフルエンサー2名を2泊3日で招聘するケース
- 航空券:1名あたり13万円~ × 人数
- 宿泊・飲食・体験:1名あたり数万円〜
- コーディネート費用:数十万円〜
- インフルエンサー制作・投稿フィー:1名あたり10〜50万円/日 or プロジェクト単位
総額イメージ:数十万円〜200万円程度(国・時期・グレードにより変動)
3-2. 中規模(3〜10名・2〜4泊)の場合
例)メディア記者+インフルエンサー+旅行会社担当者など、混成チームで実施
- 航空券:人数×(1人あたり13万円~)
- 宿泊・飲食・体験:人数×(1人あたり数万円〜)
- コーディネート費用:数十万〜数百万円レンジ
- メディア・インフルエンサーの制作費:媒体規模・本数に応じて加算
総額イメージ:300〜800万円程度が一つの目安です。
3-3. 大規模(10名以上・複数都市)の場合
- TV番組・全国紙・大規模インフルエンサーを含む場合
- 複数都市・複数地域を周遊する場合
このレベルになると、数千万円規模になることもあります。
3-4. 費用を左右する主な要素
- 出発地・利用航空会社・時期(ハイシーズン/ローシーズン)
- ホテルランク(ビジネス/ラグジュアリー)
- 体験コンテンツの種類(特別な許可・貸切が必要かどうか)
- カメラマンやマネージャーの同行の有無
- 現地通訳者のアサインの有無
- メディア・インフルエンサーの規模(フォロワー数・媒体力)
- コンテンツ本数(何本の記事/動画/投稿を確約するか)

4. メディア・インフルエンサー招聘の“ギャラ”の考え方
4-1. メディア(新聞・雑誌・TV)の場合
- 編集部側の判断で「取材対象として魅力がある」と判断されれば、
ギャラ無し(取材としての扱い)で掲載されることもあります。 - 一方、「特集枠/タイアップ枠」として企画する場合は、
通常の広告料金に近い考え方になります(媒体資料に準拠)。
ポイント:
FAMトリップとしての枠組みでも、
- 純粋な編集取材
- 広告・タイアップ
のどちらなのかで、費用感と表現の自由度が変わります。
対象国の有力媒体・有力オンラインメディア等への掲載は
概ね、1ページ・1記事あたり10万円~50万円~が相場となります。
4-2. インフルエンサー/KOLの場合
- フォロワー数だけでなく、
エンゲージメント率・フォロワー属性(国・年齢・興味関心)によって単価は大きく変わります。 - 例としては:
- タイ人インフルエンサー:
3投稿+ストーリーズ+リール/ショート動画込みで、15万円〜100万円/人レンジから - アメリカ人インフルエンサー:
規模やジャンルによっては、1案件あたり30万〜数百万円レベルも
- タイ人インフルエンサー:
4-3. 「旅費提供のみ」から「プロジェクト単価」へ
- 「旅費・宿泊・体験を提供する代わりに、無料でSNS発信してもらう」
という形もありますが、 - 発信のクオリティ・本数・継続発信
- 影響力のある人にとっての“機会費用”
を考えると、ある程度のフィーを設計した方が成果は安定します。
留意点:当然ながらインフルエンサー側も仕事としてFAMトリップを受けている為、無償で仕事をしていると生活が成り立たなくなるため、多くのインフルエンサーやメディアへは無償では動いてくれません。「無償で依頼 = 効果は期待すべきではない」という認識が必要です。

5. 予算別のFAMトリップ設計例
ここでは、予算感から逆算した「現実的なプラン像」をイメージしてみます。
5-1. 予算100〜300万円のケース
- 少人数(1〜3名)のインフルエンサー or メディアを対象
- 2泊3日程度の短期プログラム
- SNS発信(Instagram/YouTubeショート/TikTokなど)に特化
- 宿泊・体験のグレードを調整し、濃いコンテンツを少人数で撮り切る設計
5-2. 予算300〜800万円のケース
- メディア記者+インフルエンサー+旅行会社担当など、複数ステークホルダーを招聘
- 3〜4泊程度で広域エリアをカバー
- 記事掲載+長尺動画+SNS+パンフ・営業資料用の素材撮影まで一体設計
- 自治体・観光機関・鉄道会社・航空会社などの共同プロジェクトとして組成しやすいレンジ
5-3. 予算800万円〜のケース
- 広域連携(複数都道府県/広域連合など)
- TV番組・大型メディア・トップインフルエンサーを巻き込んだ企画
- 1回限りではなく、複数回実施+継続コンテンツ制作を見込む
※ 実際の設計では、既存のFAMトリップ関連記事や事例とリンクさせながら、
「どのレベルを目指すか」を共に設計していく形になります。

6. コスト対効果を高めるポイント(失敗しないために)
6-1. 目的・ターゲット市場の明確化
- 誰に向けたプロモーションか(国・地域・属性)
- どの行動を促したいか(訪問/予約/問合せ/取扱い拡大 等)
「何のために、誰に対して行うのか」を先に決めることで、
招聘メンバーやコンテンツ設計の精度が上がります。
6-2. 招聘メンバーの選定基準
- フォロワー数だけでなく、
- フォロワーの国・言語
- 過去の案件ジャンル
- コンテンツのクオリティ
- メディアの場合は、読者層・発行部数・オンラインでの拡散性
「自分たちのターゲットと重なるオーディエンスを持っているか」が最重要です。
6-3. コンテンツの二次利用を前提にする
- 撮影した写真・動画・記事を、
- 自社サイト/SNS
- 観光パンフ/営業資料
- 展示会ブース/海外営業プレゼン
に二次利用できるよう、権利とフォーマットを最初から設計します。
6-4. KPI(指標)の設計
- 例:
- SNS:投稿数/リーチ数/エンゲージメント(いいね・コメント・シェア)
- メディア:記事本数/PV/掲載面積
- 営業効果:問い合わせ数/予約数/取扱い店舗数 等
「やった感」で終わらせず、数字としての結果を見える化することが重要です。

7. 見積もり・契約時に注意すべき点
7-1. 見積に含まれる/含まれない費用
- 含まれる:航空券/宿泊/体験費/通訳/コーディネート費用 など
- 含まれない:保険/ビザ代/追加の撮影・編集費/広告出稿費 等
どこまでが「プロジェクト費」に含まれているかを明確にします。
7-2. キャンセル規定・不可抗力時の扱い
- 天候不順・災害・感染症などで実施困難な場合の対応
- キャンセル料の発生タイミング・割合
- 延期の可否
7-3. コンテンツの権利・PR表記
- 写真・動画・記事の使用範囲(どの媒体・期間まで使えるか)
- ステマ規制への対応(広告・PR表記の有無・方法)
ここを曖昧にすると、後でトラブルになりやすいため、契約書できちんと取り決めることをおすすめします。
7-4. 条件変更時の対応
- 直前に工程やスケジュールの変更が発生
- 招聘後に投稿回数を削減(委託費の削減)
- 招聘後の訪問地等で、無償の投稿を依頼 or 契約外の投稿や発信を依頼
実際にある事例で上記の様な事が発生すると、多くの場合はトラブルになります。適切な情報共有と事前の取り決め内容の遵守が必要となります。

8. Social ZeroのFAMトリップ・メディア招聘支援の特徴
Social Zeroでは、東南アジア(ASEAN)を中心に、
- 自治体・JNTO(日本政府観光局)向けFAMトリップ
- 企業向けインフルエンサー招聘・現地プロモーション
- 海外営業代行と組み合わせた「認知+商談」一体型施策
を多数支援してきました。
特徴の一例:
- ASEAN各国のメディア・インフルエンサー・KOLとのネットワーク
- 16年以上のASEANビジネス経験にもとづく、「現地で効く」導線設計
- FAMトリップ実施後の、
- 海外営業代行によるバイヤー・ディストリビューター開拓
- 現地パートナーとの共同プロモーション(旅行代理店や航空会社等)
まで見据えた一気通貫支援
◆関連サービスページ:
9. FAQ(よくある質問)
- Q1. メディア・インフルエンサー招聘の費用はどのくらい見ておくべきですか?
-
A. 当社の事例ですと、タイ人の有力インフルエンサー2組を北海道の自治体事業で5日間招聘した際には、複数回のSNS投稿を含めた招聘ギャラ相場は、2組で約100万円ほど。そこに、航空券・宿泊・飲食費等の実費が加わってきます。実際には、招聘工程や招聘メンバー(インフルエンサー本人とカメラマン・マネージャー等)の規模により大きく変動します。
- Q2. どの国・地域から呼ぶのが良いですか?
-
A. ターゲットとする訪日市場・商品市場によります。例えばインバウンド需要を取り込みたい地域事業者や自治体であれば、既にその地に訪れている国籍データからターゲット選定を行うか、インバウンド需要を伸ばしたい国を選定して、その国から招聘する方法があります。
- Q3. 一度のFAMトリップでどのくらいの効果を期待できますか?
-
A. SNSでのリーチや記事掲載など短期的な指標に加え、中長期的には「継続的な発信」「営業・販路開拓につながるコンテンツ素材」としての価値があります。事前にKPIを定めたうえで、二次利用も含めた効果設計を行うことが重要です。多くの場合は、継続的な取り組みによる効果が出ています。
- Q4. 小規模な予算でも実施できますか?
-
A. インフルエンサー招聘や、既存メディアとの連携など、小規模でも設計は可能です。予算に合わせて、対象国・人数・日数・コンテンツ本数を調整していきます。
- Q5. 事前にどんな準備が必要ですか?
-
A. 目的・ターゲット市場・伝えたいメッセージの整理、受け入れ先や立ち寄りスポットの候補出し、英語(または対象国の言語)での基本情報資料などがあるとスムーズです。Social Zeroでは、これらの整理から一緒に行うことも可能です。
10. まとめ
FAMトリップは、
- 「現地での体験」と「コンテンツ発信」をセットで設計することで、
SNS・メディア・営業現場のすべてに効かせることができる施策です。
一方で、費用構造が分かりにくく、
- どの程度の予算で何ができるのか
- メディア・インフルエンサーへのフィーをどう考えるべきか
- どこまでを自分たちで、どこからを外部に任せるべきか
といった悩みがつきものです。
もし、
- 「まずは概算の費用感を知りたい」
- 「既にFAMトリップを検討しているが、設計がこれで良いか不安」
- 「FAMトリップと海外営業代行を組み合わせて、認知→商談まで一気通貫でやりたい」
というお考えがあれば、
まずはオンラインで30分ほどお話しさせてください。

