クロスボーダーM&Aとは、国境を越えて企業の買収、合併、資本提携を行うM&Aのことです。日本企業が海外市場へ進出する手段として、現地法人設立や代理店開拓だけでなく、海外企業の買収・資本提携を検討するケースが増えています。
レコフM&Aデータベースによると、2025年に日本企業が海外企業を譲受した件数は、675件に上ります。
一方で、クロスボーダーM&Aは、いきなり買収交渉やデューデリジェンスから始まるものではありません。まず重要になるのは、対象国・業界・買収目的に合う候補企業を幅広く洗い出し、有望な企業を絞り込むことです。
そのため、初期段階ではロングリスト作成とショートリスト化が重要になります。
ロングリストの質が低いと、有望な候補企業を見落とす可能性があります。一方で、ショートリスト化が不十分だと、どの企業に優先的にアプローチすべきか判断できず、検討が前に進みにくくなります。
この記事では、クロスボーダーM&Aの基本、進め方、メリット・リスク、候補先リスト作成の重要性、そして外部に依頼できる業務範囲について解説します。

クロスボーダーM&Aとは
クロスボーダーM&Aとは、国境を越えて行われるM&Aのことです。日本企業が海外企業を買収するケース、海外企業と資本提携するケース、海外企業が日本企業に出資するケースなどが含まれます。
M&Aというと「企業買収」のイメージが強いですが、実務上は完全買収だけでなく、一部出資、合弁会社設立、資本業務提携など、さまざまな形があります。
海外進出の文脈では、クロスボーダーM&Aは、海外市場にゼロから参入するのではなく、現地企業が持つ販路、顧客基盤、人材、技術、許認可、ブランド、拠点などを活用する手段として検討されます。
国内M&Aとの違い
国内M&AとクロスボーダーM&Aの大きな違いは、国をまたぐことによる複雑性です。
また、国内M&Aであれば、言語、商習慣、法制度、会計基準、税制、雇用慣行などが比較的理解しやすい場合が多いですが、クロスボーダーM&Aではそれらが国ごとに大きく異なります。
特に海外企業の場合、公開されている情報が限られていたり、現地語でしか情報が出ていなかったりすることもあります。そのため、初期段階で候補企業を正しく洗い出し、比較検討することが重要です。
海外進出手段としてのクロスボーダーM&A
海外進出には、主に以下のような手段があります。
| 手段 | 特徴 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 海外営業代行 | 現地企業へ営業し、商談機会を作る | まず海外顧客の反応を見たい企業 | 継続的な営業体制設計が必要 |
| 代理店開拓 | 現地販売パートナーを探す | 自社で現地営業体制を持たない企業 | 代理店の営業力に差がある |
| 現地法人設立 | 自社拠点を作って本格展開する | 長期的に現地市場へ投資する企業 | 固定費・管理コストが高い |
| クロスボーダーM&A | 海外企業を買収・資本提携する | 販路・顧客・人材・拠点を一気に獲得したい企業 | 候補先探索、DD、PMIの難易度が高い |
クロスボーダーM&Aは、海外市場への参入スピードを高められる一方で、候補企業の探索や情報収集の難易度が高い手段です。そのため、初期段階では十分な調査と候補先整理が欠かせません。

クロスボーダーM&Aの需要が高まっている理由
近年、日本企業がクロスボーダーM&Aを検討する背景には、国内市場の成熟や海外成長市場への関心の高まりがあります。
国内市場の縮小
日本国内では、人口減少や少子高齢化により、多くの業界で中長期的な市場縮小が見込まれています。
そのため、国内だけで成長を続けることが難しい企業にとって、海外市場の開拓は重要な経営テーマになっています。
海外販路・顧客基盤の獲得
海外市場にゼロから参入する場合、
- 顧客開拓
- 販売チャネル構築
- 現地人材の採用
- 法規制対応
などに時間がかかります。
一方で、現地企業を買収・資本提携できれば、既存の販路や顧客基盤を活用できる可能性があります。これにより、海外展開のスピードを高められる点がクロスボーダーM&Aの魅力です。
技術・人材・生産拠点の獲得
クロスボーダーM&Aは、販売先の獲得だけでなく、
- 技術
- 人材
- 生産拠点
- 研究開発機能
- 現地ネットワーク
- 事業ライセンス
の獲得にも活用されます。
特に製造業、IT、ヘルスケア、食品、環境、教育関連などの分野では、現地企業との資本提携や買収を通じて事業ライセンスの活用や競争力を高めるケースがあります。
海外企業との資本提携ニーズの増加
必ずしも完全買収だけが選択肢ではありません。
- 海外企業との資本提携
- 合弁会社設立
など、段階的な協業を検討する企業もあります。
このようなケースでも、まずは候補企業を幅広く洗い出し、自社に合う相手先を絞り込むプロセスが必要です。

クロスボーダーM&Aのメリット
クロスボーダーM&Aには、海外進出を加速できる複数のメリットがあります。
海外市場へ短期間で参入できる
現地法人をゼロから設立する場合、
- 会社設立
- 採用・育成
- 営業体制構築
- 顧客開拓
などに時間がかかります。
一方で、既に事業基盤を持つ海外企業を買収・提携できれば、現地市場への参入期間を短縮できる可能性があります。
既存顧客・販路・人材を活用できる
現地企業が持つ
- 顧客リスト
- 販売代理店網
- 営業人材
- 技術者
- サプライヤーネットワーク
- 事業ライセンス
などを活用できる点も大きなメリットです。
特にBtoB領域では、現地の商習慣や意思決定構造を理解している企業と組むことで、営業活動を進めやすくなる場合があります。
現地商習慣や規制への対応力を得やすい
海外市場では、
- 法規制
- 許認可
- 税制
- 労務
- 契約慣行
- 決済条件
などが日本と異なります。
現地企業と資本関係を持つことで、これらの実務対応に関する知見を獲得しやすくなる場合があります。
ゼロから拠点を作るより早い場合がある
海外拠点をゼロから立ち上げるには、時間と固定費がかかります。クロスボーダーM&Aでは、既存の事業基盤を活用できるため、場合によっては現地法人設立よりも早く事業を立ち上げられます。
ただし、買収後の統合や管理体制の構築には別の難しさがあるため、事前の候補先選定が重要です。

クロスボーダーM&Aのデメリット・リスク
クロスボーダーM&Aにはメリットがある一方で、国内M&A以上に注意すべきリスクがあります。
候補先探索が難しい
海外M&Aでは、そもそも「どの企業が候補になり得るのか」を把握することが難しい場合があります。
日本語情報だけでは十分な候補企業が見つからず、現地語や英語での調査が必要になるケースもあります。また、企業データベースに掲載されていない中小企業や非上場企業を探すには、複数の情報源を組み合わせる必要があります。
情報の透明性が低い
海外企業の
- 財務情報
- 株主構成
- 取引先
- 事業実態
などは、国や企業規模によって公開状況が大きく異なります。
特に非上場企業の場合、Webサイト上の情報だけでは判断できないことも多く、初期段階では仮説ベースで整理し、後続の確認作業につなげる必要があります。
また、ベトナムの様な一部の国では二重帳簿や賄賂等の商習慣が一般的となり、表面的に見えないリスクも存在します。
言語・文化・商習慣の違いがある
クロスボーダーM&Aでは、言語だけでなく、
- 交渉スタイル
- 意思決定スピード
- 契約に対する考え方
- 雇用慣行
などの違いも大きな論点になります。
候補先企業を選ぶ段階でも、自社との事業面の親和性だけでなく、コミュニケーションや経営文化の相性を考慮する必要があります。
PMIの難易度が高い
PMIとは、M&A後の統合プロセスのことです。
買収後に
- 組織
- 人事
- 会計
- ITシステム・各ツール
- 営業
- ブランド
などをどのように統合するかは、M&Aの成否を大きく左右します。
クロスボーダーM&Aでは、国や文化をまたぐため、国内M&AよりもPMIの難易度が高くなる傾向があります。
法務・税務・会計の専門確認が必要
海外企業を買収・出資する場合、各国の
- 外資規制
- 会社法
- 税制
- 会計基準
- 労務規制
- 競争法
などを確認する必要があります。
候補先リスト作成の段階では大まかな調査が中心になりますが、実際に交渉や投資判断へ進む場合は、弁護士、会計士、税理士、M&Aアドバイザーなどの専門家による確認が必要です。

クロスボーダーM&Aの基本的な進め方
クロスボーダーM&Aは、一般的に以下の流れで進みます。
1. 目的・買収方針の整理
まず、なぜ海外M&Aを検討するのかを明確にします。
例えば、以下のような目的があります。
- 海外販路を獲得したい
- 現地顧客基盤を取り込みたい
- 生産拠点を確保したい
- 技術・人材を獲得したい
- 現地企業の事業ライセンスを活用したい
- 現地ブランドを活用したい
- 代理店ではなく資本関係のあるパートナーを持ちたい
また、目的が曖昧なまま候補企業を探すと、リストの条件も曖昧になり、候補企業の質が下がりやすくなります。
2. 対象国・業界の選定
次に、どの国・地域で、どの業界の企業を対象にするのかを決めます。
対象国を選ぶ際は、
- 市場規模
- 成長性
- 競合状況
- 規制
- 地理的条件
- 政治・経済リスク
- 自社商材との相性
などを確認します。
3. 候補企業のロングリスト作成
対象国・業界が決まったら、候補企業を幅広く洗い出します。
この段階では、最初から数社に絞り込むのではなく、比較検討の母集団を作ることが重要です。企業名、所在地、Webサイト、事業内容、取扱商材、販売地域、企業規模などを整理します。
4. 有望企業のショートリスト化
ロングリストで洗い出した候補企業の中から、自社の目的に合う企業を絞り込みます。
ショートリスト化では、
- 事業内容の親和性
- 顧客層
- 販売チャネル
- 企業規模
- 成長性
- 買収・提携可能性
- アプローチ優先度
- 企業リスク
などを評価します。
5. 初期アプローチ候補の優先順位づけ
ショートリスト化した企業の中から、どの企業に優先的にアプローチするかを決めます。
この段階では、買収だけでなく、資本提携、業務提携、販売代理店契約、共同開発など、複数の可能性を考慮しておくと選択肢が広がります。
6. 秘密保持契約・資料開示
候補企業と初期的な関心が一致した場合、秘密保持契約を締結し、より詳細な資料開示へ進みます。
7. 企業価値評価・デューデリジェンス
候補企業の財務、法務、税務、事業、人事、IT、知財などを詳細に確認します。
また、この工程は専門性が高いため、弁護士、会計士、税理士、M&Aアドバイザーなどの専門家と連携して進める必要があります。
8. 交渉・契約・クロージング
買収価格、出資比率、契約条件、表明保証、クロージング条件などを交渉し、最終契約へ進みます。
9. PMI
M&A成立後は、組織、会計、営業、人事、IT、ガバナンスなどの統合を進めます。クロスボーダーM&Aでは、PMIを見据えた候補先選定が重要です。

クロスボーダーM&Aで重要な候補先リスト作成とは
この、クロスボーダーM&Aの初期段階では、候補企業を探し、整理し、優先順位をつけることが重要です。
その中心になるのが、ロングリスト作成とショートリスト化です。
ロングリストとは
ロングリストとは、買収・資本提携・業務提携の候補となる海外企業を幅広く洗い出した初期候補リストです。
クロスボーダーM&Aでは、最初から数社に絞り込むのではなく、対象国・業界・商材・販売チャネルなどの条件に合う企業を広く調査し、比較検討の母集団を作ることが重要です。
ロングリストには、企業名、所在地、Webサイト、事業内容、取扱商材、対象地域、販売チャネル、規模、自社とのシナジー仮説などを整理します。
ショートリストとは
ショートリストとは、ロングリストで洗い出した候補企業の中から、買収・資本提携・業務提携の可能性が高い企業を絞り込んだリストです。
単に企業数を減らすだけではなく、自社の目的との親和性、対象市場でのポジション、販売チャネル、顧客層、事業規模、成長性、アプローチ優先度などをもとに、有望候補を整理します。
クロスボーダーM&Aでは、現地企業の情報が限られることも多いため、ショートリスト化の段階で「なぜその企業を優先するのか」という判断軸を明確にすることが重要です。
ロングリストとショートリストの違い
| 項目 | ロングリスト | ショートリスト |
|---|---|---|
| 目的 | 候補企業を幅広く洗い出す | 有望候補に絞り込む |
| 件数 | 多め。数十社〜数百社になる場合もある | 少なめ。優先度の高い候補に限定する |
| 情報の深さ | 基本情報中心 | 評価・優先順位・仮説を含める |
| 主な項目 | 企業名、所在地、URL、事業内容、規模など | 親和性、買収・提携可能性、優先度、リスクなど |
| 活用場面 | 初期調査、候補先探索、比較母集団の形成 | 初期アプローチ、社内検討、M&A仲介会社・専門家との相談準備 |
| 重要な視点 | 網羅性と探索範囲の広さ | 選定基準と判断材料の明確さ |
なぜ海外M&Aでは候補先リストの質が重要なのか
クロスボーダーM&Aでは、候補先リストの質がその後の検討に大きく影響します。
候補企業が少なすぎると、比較検討の幅が狭くなります。反対に、数だけ多くても、自社の目的に合わない企業ばかりでは意味がありません。
重要なのは、対象国・業界における候補企業を広く把握したうえで、どの企業が自社にとって有望なのかを判断できる状態にすることです。
そのため、ロングリスト作成とショートリスト化は、単なるリサーチ作業ではなく、クロスボーダーM&Aの初期戦略を具体化するための重要なプロセスです。
ロングリストに入れるべき項目
海外M&Aのロングリストには、候補企業を比較するための基本情報を整理します。
主な項目は以下の通りです。
- 企業名
- 所在国・所在地
- WebサイトURL
- 事業内容
- 取扱商材・サービス
- 対象市場・対応地域
- 販売チャネル
- 主要顧客層
- 売上規模
- 従業員数
- 拠点情報
- 経営者・意思決定者情報
- 株主構成
- 関連会社・グループ会社
- 自社とのシナジー仮説
- 情報ソース
ただし、国や企業規模によって取得できる情報には差があります。特に非上場企業の場合、売上や株主情報が公開されていないこともあります。
そのため、ロングリストでは「取得できた情報」と「追加確認が必要な情報」を分けて整理することが重要です。
Social ZeroのクロスボーダーM&Aのロングリスト作成での、東南アジア・ASEANの国を例にすると、ベトナムは非上場企業でも決算書データや財務諸表の取得が当社でできますが、インドネシアは非上場企業の情報取得が非常に難しいという特徴もあります。
ショートリスト化で見るべき評価項目
ショートリスト化では、ロングリストで集めた候補企業を評価し、優先順位をつけます。
主な評価項目は以下です。
事業内容の親和性
自社の事業と候補企業の事業内容がどの程度合っているかを確認します。
例えば、同じ業界でも、製造、卸売、小売、保守、システム開発、販売代理など、役割が異なる場合があります。
対象市場・顧客層の一致度
候補企業が持つ顧客層が、自社の狙う市場と合っているかを確認します。
BtoB企業であれば、業界、企業規模、顧客属性、意思決定者層などを見る必要があります。
販売チャネル・拠点の有無
海外進出を目的とする場合、候補企業がどのような販売チャネルや拠点を持っているかは重要です。
現地代理店網、営業拠点、物流拠点、ECチャネル、法人顧客ネットワークなどを確認します。
企業規模・成長性
売上、従業員数、拠点数、取引先、事業拡大状況などから、企業規模や成長性を確認します。
ただし、公開情報だけでは判断が難しい場合もあるため、初期段階では仮説として整理します。
買収・提携可能性
候補企業が買収や資本提携の対象になり得るかを考えます。
例えば、オーナー企業、事業承継課題を抱えている企業、海外展開を検討している企業、資本提携ニーズがありそうな企業などは、検討候補になる可能性があります。
ただし、実際の意向は接触して確認する必要があります。
アプローチ優先度
ショートリストでは、最終的にどの企業へ優先的にアプローチするかを整理します。
優先度は、事業の親和性、候補企業の規模、情報の充実度、買収・提携可能性、想定シナジーなどをもとに設定します。
リスク要因
リスク要因も整理しておく必要があります。
例えば、以下のような観点です。
- 情報が少ない
- 事業内容が不明確
- 競合色が強い
- 規制業種である
- 株主構成が複雑である
- 対象国の政治・経済リスクが高い
- 自社とのシナジーが限定的である
リスクを事前に整理しておくことで、後続の検討や専門家への相談がしやすくなります。

海外M&A候補先の探し方
海外M&Aの候補先は、複数の情報源を組み合わせて探す必要があります。
業界団体・展示会情報から探す
業界団体や展示会の出展企業リストは、候補企業を探すうえで有効な情報源です。
特定の業界に属する企業をまとめて確認できるため、ロングリスト作成の初期段階で役立ちます。
企業データベースから探す
海外企業データベースを活用することで、国、業界、企業規模などの条件で候補企業を検索できます。
ただし、データベースの情報だけでは事業内容や実態が十分に分からない場合もあるため、企業サイトや現地情報と組み合わせて確認する必要があります。
競合・販売代理店・サプライヤーから探す
競合企業の販売代理店、サプライヤー、顧客事例、パートナー企業などから候補を探す方法もあります。
特にBtoB領域では、業界内の取引関係をたどることで、有望な候補企業が見つかることがあります。
LinkedInなどのビジネスSNSを活用する
LinkedInなどのビジネスSNSでは、企業情報だけでなく、経営者や責任者の情報を確認できる場合があります。
候補企業の意思決定者やキーパーソンを把握するうえでも有効です。
現地語で検索する
英語や日本語だけでは候補企業が十分に見つからないことがあります。
対象国によっては、現地語で検索することで、現地企業、業界団体、ニュース、展示会情報、政府機関の登録情報などを確認できます。
海外市場調査会社に依頼する
社内で対象国の言語や市場に詳しい人材がいない場合は、海外市場調査会社や海外営業支援会社に依頼する方法もあります。
外部に依頼することで、調査範囲を広げやすくなり、ロングリスト作成からショートリスト化まで効率的に進めやすくなります。
◆ Social ZeroのクロスボーダーM&A|ロングリスト・ショートリスト作成:事例ページはこちら

候補先リスト作成でよくある失敗
クロスボーダーM&Aの候補先リスト作成では、いくつかの失敗パターンがあります。
条件が曖昧なまま探し始める
対象国、業界、企業規模、目的、買収・提携の方向性が曖昧なまま調査を始めると、候補企業の基準がぶれてしまいます。
結果として、数は多いものの判断に使いにくいリストになりがちです。
企業数だけを重視する
ロングリストでは一定数の候補を集めることが重要ですが、数だけを増やしても意味はありません。
事業内容が合わない企業や情報が不十分な企業ばかりでは、次の検討に進みにくくなります。
大手企業・有名企業だけを候補にする
海外M&Aでは、有名企業や大手企業だけが候補になるわけではありません。
むしろ、中堅・中小企業、地域密着型企業、専門商社、販売代理店、技術企業などに有望な候補がある場合もあります。
財務情報だけで判断する
財務情報は重要ですが、初期段階では事業内容、販路、顧客層、拠点、技術、人材、経営者の意向なども重要です。
特に海外進出目的のM&Aでは、自社とのシナジーを見極める必要があります。
買収可能性を見ずにリスト化する
候補企業として条件に合っていても、買収や資本提携の可能性が低い場合があります。
例えば、上場企業の中核子会社、大企業グループの重要部門、競合関係が強すぎる企業などは、初期アプローチの難易度が高い可能性があります。
ロングリストを作って終わりにする
ロングリストは、あくまで初期候補の洗い出しです。
重要なのは、その後に自社の目的に合う企業を評価し、ショートリスト化し、優先順位をつけることです。ロングリストを作って終わりにしてしまうと、具体的なアクションにつながりにくくなります。

クロスボーダーM&Aの初期段階で外部に依頼できること
クロスボーダーM&Aの初期段階では、すべてを自社だけで進める必要はありません。
特に候補企業の調査やリスト作成は、外部パートナーに依頼しやすい業務です。
対象国・業界の初期調査
どの国・業界に候補企業が多いのか、どのような企業が存在するのかを調査します。
海外企業のロングリスト作成
対象条件に合う海外企業を幅広く洗い出し、基本情報を整理します。
有望企業のショートリスト化
ロングリストの中から、自社との親和性や買収・提携可能性を踏まえて、有望候補を絞り込みます。
候補企業の一次スクリーニング
事業内容、販売チャネル、企業規模、Web上の情報、ニュース、採用状況などをもとに、候補企業を一次評価します。
販売チャネル・競合調査
候補企業がどのような市場で、どのような顧客に、どのようなチャネルで販売しているかを調査します。
初期アプローチ準備
候補企業にアプローチする前に、企業概要、想定シナジー、アプローチ目的、提案仮説などを整理します。
実際の買収交渉、契約、デューデリジェンス、企業価値評価については、M&Aアドバイザー、弁護士、会計士、税理士などの専門家と連携して進める必要があります。
◆ Social Zeroの海外市場調査:サービスページはこちら

Social ZeroのクロスボーダーM&A候補先リスト作成支援
Social Zeroでは、クロスボーダーM&Aの前段階となる海外企業の候補先リスト作成を支援しています。
対象国・業界・買収目的に応じて、候補企業を幅広く洗い出すロングリスト作成から、有望企業を絞り込むショートリスト化まで対応可能です。
M&A仲介や法務・財務デューデリジェンスの前段階として、「まずはどのような海外企業が候補になり得るのかを把握したい」「買収・資本提携・業務提携の可能性がある企業を整理したい」という企業様に適したサービスです。
Social Zeroが支援できること
Social Zeroでは、主に以下のような支援が可能です。
- 海外企業のロングリスト作成
- 有望企業のショートリスト化
- 対象国・業界の初期調査
- 現地語・英語での企業調査
- 企業概要・事業内容・販売チャネルの整理
- 自社との親和性・シナジー仮説の整理
- 買収・資本提携・業務提携候補の整理
- 初期アプローチ候補の優先順位づけ
クロスボーダーM&Aでは、最初から買収候補を数社に絞るのではなく、まず候補企業の全体像を把握することが重要です。
Social Zeroでは、海外営業、海外市場調査、代理店開拓支援の知見を活かし、M&Aの前段階に必要な候補先調査を支援します。
M&A仲介会社に相談する前の初期調査として活用可能
M&A仲介会社やFAに相談する前に、候補企業の全体像を把握しておくことで、自社の方針を整理しやすくなります。
例えば、以下のような段階で活用できます。
- 対象国にどのような候補企業があるか知りたい
- 買収候補だけでなく、資本提携・業務提携候補も探したい
- M&A仲介会社に相談する前に候補先の母集団を作りたい
- 社内検討用に海外企業リストを作成したい
- 有望企業を絞り込み、アプローチ優先度を整理したい
Social Zeroは、M&A仲介、法務・財務デューデリジェンス、企業価値評価、契約交渉を代行する会社ではありません。
その前段階として、海外企業の候補先調査、ロングリスト作成、ショートリスト化を支援します。必要に応じて、後続フェーズではM&Aアドバイザー、弁護士、会計士、税理士などの専門家確認を行うことが重要です。
海外M&Aの候補先リスト作成をご相談ください
クロスボーダーM&Aを検討する際は、対象国・業界・買収目的に合う候補企業を洗い出し、有望企業を絞り込むことが重要です。
Social Zeroでは、海外企業のロングリスト作成からショートリスト化まで支援しています。M&A仲介会社に相談する前の初期調査や、買収・資本提携・業務提携候補の整理にご活用いただけます。
「候補企業を幅広く把握したい」「アプローチすべき企業を絞り込みたい」「社内検討用に海外企業リストを作成したい」という企業様は、お気軽にご相談ください。
◆ Social ZeroのクロスボーダーM&A|ロングリスト・ショートリスト作成:サービスページはこちら
まとめ|クロスボーダーM&Aは候補先の洗い出しと絞り込みから始める
クロスボーダーM&Aは、海外市場への参入、販路獲得、人材・技術獲得、現地拠点の確保などを実現する有効な手段です。
一方で、国内M&Aと比べて、言語、商習慣、法制度、会計基準、情報収集の難しさなど、多くの論点があります。
そのため、いきなり買収交渉やデューデリジェンスに進むのではなく、まずは対象国・業界・買収目的に合う候補企業を整理することが重要です。
特に初期段階では、候補企業を幅広く洗い出すロングリスト作成と、有望企業を絞り込むショートリスト化が欠かせません。
候補先リストの質が高ければ、社内検討、初期アプローチ、M&A仲介会社や専門家との相談も進めやすくなります。
クロスボーダーM&Aを検討している企業は、まず候補先の全体像を把握するところから始めましょう。
FAQ(よくある質問)
Q1. クロスボーダーM&Aとは何ですか?
クロスボーダーM&Aとは、国境を越えて企業の買収、合併、資本提携を行うM&Aのことです。日本企業が海外企業を買収するケースや、海外企業と資本提携するケースなどが含まれます。
Q2. クロスボーダーM&Aと海外M&Aの違いは何ですか?
一般的には、どちらも国をまたぐM&Aを指す意味で使われます。クロスボーダーM&Aは専門用語として使われることが多く、海外M&Aはより分かりやすい表現として使われることがあります。
Q3. クロスボーダーM&Aは何から始めるべきですか?
まずは、海外M&Aの目的、対象国、対象業界、獲得したい経営資源を整理することから始めます。そのうえで、候補企業のロングリストを作成し、有望企業をショートリスト化する流れが一般的です。
Q4. 海外M&Aのロングリストとは何ですか?
海外M&Aのロングリストとは、買収・資本提携・業務提携の候補となる海外企業を幅広く洗い出した初期候補リストです。企業名、所在地、Webサイト、事業内容、規模、販売チャネルなどを整理します。
Q5. 海外M&Aのショートリストとは何ですか?
ショートリストとは、ロングリストで洗い出した候補企業の中から、有望度の高い企業を絞り込んだリストです。事業内容の親和性、顧客層、販売チャネル、企業規模、買収・提携可能性、アプローチ優先度などを評価します。
Q6. ロングリストとショートリストの違いは何ですか?
ロングリストは候補企業を幅広く洗い出すためのリストです。ショートリストは、その中から有望企業を絞り込み、優先順位をつけるためのリストです。ロングリストは網羅性、ショートリストは評価軸と判断材料が重要になります。
Q7. 海外M&A候補先はどのように探しますか?
業界団体、展示会情報、企業データベース、競合企業の取引先、販売代理店、サプライヤー、LinkedInなどのビジネスSNS、現地語検索などを活用して探します。複数の情報源を組み合わせることが重要です。
Q8. 候補先リストにはどのような項目を入れるべきですか?
企業名、所在地、Webサイト、事業内容、取扱商材、対象地域、販売チャネル、売上規模、従業員数、顧客層、経営者情報、自社とのシナジー仮説、情報ソースなどを整理します。
Q9. ショートリスト化では何を基準に評価しますか?
事業内容の親和性、対象市場・顧客層の一致度、販売チャネル、拠点、企業規模、成長性、買収・提携可能性、リスク要因、アプローチ優先度などを基準に評価します。
Q10. クロスボーダーM&Aで候補先探索が難しい理由は何ですか?
海外企業は、日本語情報が少なく、現地語でしか情報が公開されていない場合があります。また、非上場企業の財務情報や株主情報は公開されていないことも多く、候補企業の実態を把握するには複数の情報源を確認する必要があります。
Q11. 海外M&Aの候補先リスト作成は外部に依頼できますか?
はい、外部に依頼できます。海外市場調査会社や海外営業支援会社に依頼することで、対象国・業界に応じたロングリスト作成やショートリスト化を効率的に進められます。
Q12. M&A仲介会社に相談する前に候補先リスト作成は必要ですか?
必須ではありませんが、事前に候補先リストを作成しておくことで、自社の買収目的や対象国・業界の方向性を整理しやすくなります。M&A仲介会社や専門家と相談する際の材料としても活用できます。
Q13. 買収ではなく業務提携・資本提携候補として探すこともできますか?
はい、可能です。クロスボーダーM&Aの初期調査では、完全買収だけでなく、資本提携、業務提携、販売代理店契約、合弁会社設立などの可能性も含めて候補企業を整理することがあります。
Q14. Social Zeroではロングリストとショートリストの両方を作成できますか?
はい。Social Zeroでは、クロスボーダーM&Aの前段階として、海外企業のロングリスト作成とショートリスト化の両方を支援しています。対象国・業界・買収目的に応じて候補企業を幅広く洗い出し、その中から事業内容、販売チャネル、顧客層、規模、自社との親和性などをもとに、有望企業を整理します。M&A仲介やデューデリジェンスの前段階で、候補企業の全体像を把握したい企業に適しています。
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